| 小林朋道[著] 1,600円+税 四六判並製 204頁 2021年4月刊行 ISBN978-4-8067-1616-7 裸のヤドカリが殻をよこせと腹でピタピタ威嚇し、 ヤマネはフクロウの声を怖がり、 手塩にかけた3匹の子モモンガは無事に森に帰る―― 自然豊かな大学を舞台に起こる 動物と人間をめぐる事件の数々を 人間動物行動学の視点で描く。 大人気、先生!シリーズ。 どの巻から読んでも楽しめます。 |
小林朋道(こばやし・ともみち)
1958 年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001 年鳥取環境大学講師、2005年教授。
2015 年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
著書に『利己的遺伝子から見た人間』(PHP 研究所)、『ヒトの脳にはクセがある』『ヒト、動物に会う』(以上、新潮社)、
『絵でわかる動物の行動と心理』(講談社)、『なぜヤギは、車好きなのか?』(朝日新聞出版)、『進化教育学入門』(春秋社)、
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』をはじめとする、「先生!シリーズ」(今作第15 巻)、
番外編『先生、脳のなかで自然が叫んでいます!』(築地書館)など。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1 日のうち少しでも野生生物との“交流”をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。
ツイッターアカウント@Tomomichikobaya
はじめに
子モモンガを育てて彼らが森に旅立つまで
たくさんの思い出をありがとう。元気でね!
ヤギはほかのヤギたちの鳴き声を聞いて誰が鳴いたかわかっているか!?
ヤギ部に入りたくて公立鳥取環境大学に入学したヤギを愛する学生の研究
私のホンヤドカリについての思い出と今
あなたは、裸のホンヤドカリの威嚇行動を知っているか!
ニセショウロというキノコの表面に絵を描いた話
S先生の、愛すべき、驚くべき勘違いと、私が考えたこと
夜行性の小動物ヤマネはフクロウの声に強烈に反応する
巣箱から顔を出していたのはモモンガじゃなくヤマネだった!@ゼミ合宿
ヤギは尾をふって「これは遊びだよ」と相手に伝える
ヤギの「尾ふり」はヒトの「笑い」
私のスギについての思い出
幼いころから今日まで、いろんな場面でスギとかかわり、スギに助けられ………
本書は、2007年から毎年1巻ずつ刊行し続け今年で15年、累計で12万部に及ぶ、鳥取県の自然豊かな大学で起きる動物と人間をめぐる事件を動物行動学の視点から描いた、大人気シリーズの最新刊です。
鳥取環境大学といえば全国初の“ヤギ部”が有名ですが、これは著者の小林教授の講義中にもらした一言に端を発し、あれよあれよという間に実現したサークル活動で、現在5頭のヤギをキャンパスの広い放牧場で飼育しています。ヤギ部に入部するのが目的で受験する高校生もいるほどです。
ヤギ部の魅力もさることながら、本書を読むと、森でのモモンガの生息状況の調査や、仮説を立てて実験で確かめていく過程、先生と学生のやり取りなど、大学生活がよくわかり、実際に本シリーズを読んで鳥取環境大学に入学した学生もいます。
編集部には小学生からの可愛いファンレターや、高校時代にこの本に出会っていたら先生のゼミに入りたかった、という方たちからの手紙が届いています。
本シリーズの最大の魅力は、笑ったり涙したりしながら読むうちに、身近な自然を見る目を培えることだと思います。街路樹がちょっと違って見えてきたり、道端の雑草やそこにいる虫に気づいたり、いつもと同じ景色の中にちょっとした楽しみを発見したり……。
子どもから大人まで誰が読んでも、どこから(どの巻から)読んでも楽しめます。