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先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!
[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学

小林朋道[著]

1600円+税 四六判 224頁 2009年7月発行 ISBN978-4-8067-1384-5


大好評、先生シリーズ!
実習中にモグラが砂利から湧き出て、
学生からあずかった子ヤモリが逃亡し、
カヤネズミはミニ地球を破壊する。
ますますパワーアップする動物珍事件を、
人間動物行動学の最先端の知見をちりばめながら、軽快に描きます。
動物たちの意外な一面がわかる、動物好きにはこたえられない1冊です!

【「はじめに」より抜粋】



私は、鳥取環境大学で、専門である動物行動学と人間比較行動学(両方を合わせて人間動物行動学とよんでいるが)、そしてそれらを基盤にした野生動物の保護の研究と教育と実践に、日夜、励んでいる。(本を読んでいただければ、どのように“日夜、励んでいる”のか、少しはわかっていただけると思う。)

先日、大学の入学式があった。ういういしい新入生を見て私もうれしくなったのだが、その新入生に大学が配布した資料のなかに、「クラブ活動紹介」という冊子があった。
私もいろいろな自然系や体育系の顧問をしているので、部員たちがどんな紹介をしているのだろうか、と思って、ページをぱらぱらめくってみた。
……と、一○ページ目に出ている、ある部のところで目と手がとまった。
そこには、「ヤギ部」の紹介があった。
「全国初“ヤギ”のことを考えた部活。その名も、『ヤギ部』」
という見出しで、現在、暮らしている三頭のヤギが、写真入で紹介されている。その下に、それぞれのヤギの「名前」と「特徴」が記載されている。たとえば、「名前:ヤギコ」「特徴:でかい、こわいetc...」などなど。
そしてそのページの一角に、どうもヤギとは違う哺乳類も一頭紹介されている。
川で網を振っているホモ・サピエンスのようだ。
なになに「名前:小林朋道」
私のことではないか!
「特徴:動物を見せたら喜ぶ」? 動物を見せたら喜ぶ!?
…………どうして学生たちはそんなにも小林朋道の本質を見ぬけるのだろうか。
私は、ひたすら完敗した。完敗である。

まーそんなわけで、私は毎日、自分で動物を見たり、触ったり、そして、学生に“動物を見せてもらって喜んでいる”。
最近、学生に見せてもらって喜んだのは、なんと言っても、カヤネズミだろう。
詳しくは本のなかに書いたが(だからこの本を買って、中身も読んでいただくことをお勧めする)、カヤネズミというのは、日本でいちばん小さいネズミで、カヤ(ススキ)の葉を編ん
で巣をつくり、生活している。現在、全国の里山や河川敷の破壊によってカヤの原が減少し、それにともなって、カヤネズミも減少している。
そんなカヤネズミを、大学のキャンパスに雪の残る二月に、学生二人が私のところへ“見せに”来てくれたのである。私は、大変“喜んだ”。
そう、「特徴:動物を見せたら喜ぶ」に間違いありません。

この本は、そういった大学や、大学の周辺で起こる野生動物(一部、家畜動物)をめぐる“事件”をエッセー風に書いたものである。「動物」のなかにはもちろんホモ・サピエンスも含まれる。
ところで断っておくが、私にだって、一応、研究者としてのプライドというものがある。
だから、この本は単なる動物観察記ではない。事件のなかに、動物行動学者としての大変鋭いまなざしや、人間比較行動学の先端の知見が、そこらじゅうにちりばめられているのである。読んでけっして損のない本なのである。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
まー深くは考えまい。
それにしても、「特徴:動物を見せたら喜ぶ」とはすばらしい。
この本を書いた私の思いは、私の文章(と少しばかりの写真)で“動物をお見せして”読者のみなさんにも、“喜んで”いただければ、という思いである。そして、動物やホモ・サピエンスについての知識とともに、元気!を感じていただければとも思っている。


【目次】


はじめに

イタチを撃退するシマリスの子どもたち
フェレットに手伝ってもらって見事に成功した実験


張りぼての威厳をかけたヤモリとの真夜中の決闘
「Yさんお帰り。ヤモリの世話? もちろん楽勝だったよ」


アカハライモリの子どもを探しつづけた深夜の1カ月
河川敷の草むらは、豊かな生物を育む命のゆりかごだった


ミニ地球を破壊する巨大(?)なカヤネズミ
ほんとうは人間がカヤネズミの棲む地球を破壊している


この下には何か物凄いエネルギーをもった生命体がいる!
砂利のなかから湧き出たモグラ


ヒヨドリは飛んでいった
鳥の心を探る実験を手伝ってほしかったのに




【POP】(クリックするとカラーで見られます)