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森が語るドイツの歴史

著者……カール・ハーゼル →→著者略歴と主要著訳書
訳者……山縣光晶 →→訳者略歴と主要著訳書
4100円 ●3刷 A5判 282頁 1996年8月発行

氷河期から現代まで、中部ヨーロッパにおける人間社会と森林との関わりの歴史を、壮大なスケールで描く。
高尚な思想や政治・経済だけでなく、傲慢な貴族やワイロ好きの役人、庶民の暮らしが織りなす生き生きとしたドラマとして語った名著、待望の邦訳。

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【主要目次】
第1章・失われた森、よみがえる森
  1. 太古の時代と森
  2. 中石器時代の穀物だったヘーゼルナッツ
  3. 古代と森
  4. 中世の開墾期が始まる前のドイツの風景を明らかにする地名
  5. 神が善とみなした開墾
  6. 黒死病でよみがえった森
  7. 森の維持のためのはじめての努力
  8. 戦争と復興と森
  9. 自由主義の影響、市街地の拡大、そして森に戻る農地
第2章・さまざまに利用されてきた森
  1. 魔女狩りの原因にもなった豚の餌、ドングリ
  2. 秘密に満ちた森のガラス造り
  3. どのように森から木を運搬したのか
  4. 木はいつから売られるようになったのか
第3章・森はどのように造られ、守られてきたのか
  1. 林業への道
  2. 森を助けたモミの木の種播き
  3. 人間の影響下で森に生える木々の構成はどのように変化してきたのか
  4. 森の破局
  5. 「森の死」酸性雨被害のルーツは?
  6. 永遠の森・持続性の思想
第4章・森はだれのものだったのか
  1. 王の森、帝国の森
  2. 君主の所有か、国家の所有か
  3. 諸国の領土の改編とともに消えた教会所有の森
  4. 19世紀前半の国有林の危機
  5. 資本主義の疾風を巡る激しい対立
  6. 大規模と中規模の私有林はどのようにして生まれたのか
  7. 農民の森
  8. マルク共同体の森から市町村の所有する森へ
  9. 都市はどのように森を所有したのか
  10. 紛争と訴訟の尽きることのない泉
第5章・森の掟は移り変わる
  1. 森が自由に利用できた時代
  2. 結婚式に割り当てられる薪を定めたヴァイステューマー
  3. 五月祭りの木や共同のパン焼き窯も定めたフォルスト条例
  4. 規制と自由を巡る綱引き
  5. 森に関する帝国法はナチスの産物か
第6章・森を管理した人々や組織
  1. カロリンガー王朝から中世末期までの森の管理組織
  2. 未亡人との結婚とひきかえに陛下の恩寵で下されたポスト
  3. 岩塩製造所や鉱山の森の管理
  4. 現金の給与以外に頼る役人たち
  5. 一般行政に組み入れられた森の管理や行政
  6. 森の管理や行政の発達の例
  7. 華麗なバロック時代の狩猟と貴族の影響
  8. 鹿と木に権限を持った狩猟監督官
  9. 森の管理や行政のなかの宮廷財政家たち
  10. 森の管理や行政の上級ポストに就いた軍の将校たち
  11. プロイセンの野戦警備部隊
  12. 森の管理や行政が狩猟と別れた19世紀
  13. 森の官庁内部での19世紀における貴族特権を巡る闘い
  14. 好き勝手に首にできなくなった役人たち
  15. 役人の職務倫理の確立
  16. 19世紀以降の森の管理や行政の展開
  17. 帝国森林庁とナチス
第7章・森の研究者列伝
  1. 森の学問に先駆けたもの
  2. 18世紀に生まれた森の学問
  3. 森の学問の古典的大家たち
第8章・総合大学昇格に向けて
第9章・森の歴史の研究を志す人々のために
  1. 森の歴史とは何か
  2. 一般の歴史学と森の歴史の理論の関係
  3. 森の歴史の理論はなぜ必要か
  4. 森の歴史の研究と理論の現状
  5. 森の歴史の方法論の問題
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