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森が語るドイツの歴史

【書評再録】


●読売新聞評(1996年8月25日)=氷河期と間氷期のくりかえされていた太古の時代から、19世紀にはじまる近代造林の時代まで、森と人間との相互関係の歴史を壮大に、そして綿密に跡づけている大著である。
森を消していった人間の歴史はいろいろある。この本が、それぞれについて豊富な資料を駆使して検証してくれている。
ドイツ林学の大家が書き、林野行政の専門家が訳した本だ。森の歴史の教科書と呼んでいいだろう。

●信濃毎日新聞評(1996年9月15日)=本書は専門書としての「森の歴史」を一般の人たちにも読んでもらうという意図で整理・編集し直して翻訳されたものであって、専門家だけでなく森に関心をもっている人たちにも読みやすい書になっている。
ドイツを中心とする中部ヨーロッパで、森と人間とが太古の昔からさまざまなドラマを繰り返しながら、現在の森の姿と人間の暮らしを築いてきた大きな流れに想いをいたすことができるであろう。森の目から見た人間社会の営みの歴史は、高尚な思想の世界や政治・経済だけでなく、権力者の振る舞いや庶民の暮らしぶりなどによっても織りなされてきた生き生きとしたドラマなのであった。

●林業技術評(1996年10月号)=マルク共同体林の開墾を巡る世俗や聖界の領主と農民との争い、ミズナラのドングリを食い荒らした犯人を捜しに血道を上げた魔女裁判、結婚式に割り当てられる薪の量を定めたヴァイステューマー(森の掟)等、必死に生きた人たちの話は豊富です。また、森の学者たちの話もあります。本書を繙いた人はおそらく、こうした話に引き付けられながら、一気に終わりまで読破してしまうことでしょう。
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