ヘンプ読本

ヘンプ読本麻でエコ生活のススメ

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赤星栄志［著］
2,000円+税　四六判並製　272頁　2006年8月刊行　ISBN4-8067-1337-6

大人気のヘンプアクセサリーから、
バランスのよい栄養価で注目されるヘンプオイルまで
暮らしに楽しくとり入れる方法を紹介。

ヘンプ（Hemp）とは、麻の英語名でアサ科の一年生植物。
大麻草のこと。
世界各地で栽培され、3カ月で3メートル以上に成長し、
農薬や化学肥料がほとんどいらないという特徴をもつ。

スローライフやLOHASなどのキーワードとともに、
これからの社会に不可欠なアイテムとして紹介されるヘンプ。
衣料、食品、化粧品、紙、住宅建材、プラスチック、エネルギー………
ヘンプのさまざまな使い方・使われ方を解説する。

はじめに

おわりに～ほっとけない・もったいない・ありがたい～

ヘンプ商品を使ったり、新しく開発したりして世の中に広げていくことは、自分の生活環境と体内環境をよりよい方向へと改善することにつながり、さらに、多くの人が取り組むことによって、地域環境がよくなり、最後には地球環境問題の改善へとつながる。ヘンプのある暮らしを実践していると精神も充実したものになる。ヘンプは、地球環境、地域環境、生活環境、体内環境、精神環境のすべてをよい方向へ誘い、人と自然の関係をエコロジカルなものにさせる。
また、ヘンプは、過去と現代と未来をつなぐ存在でもある。有史はじまって以来、人間はヘンプとともに生活してきたが、石油製品の出現によって、現代はヘンプがもっとも使われない時代となっている。持続可能な社会をつくるには、ヘンプのような植物資源を有効に使っていた縄文時代や江戸時代を参考に、新しい挑戦をはじめなければならない。まさに温故知新の実践である。
最も重要だと思うのは、ヘンプがきっかけとなって日本人に失われた価値観が見直されることである。ヘンプは、今でも神道、弓道、武道、茶道などの日本文化を支える重要な素材である。武士道が見直されているが、「道」とつくのは、すべて自然とのつながりを表わしている。人と自然だけでなく、人と物、人とお金、人と社会制度、人と文化、そして、人と人。ヘンプという素材は、これらの大事な点に気づくチャンスとなる。
私は、ヘンプと出会うことで環境問題や生活習慣病などの「ほっとけない」社会と個人の問題を改善し、国際条約、大麻取締法、世間の誤解と偏見によって、新しい活用方法や日本の伝統がまったく見直されていない現状に「もったいない」気持ちになり、衣食住のトータルなオーガニック生活に不可欠な生活アイテムだと知ることで「ありがたい」と思うようになった。
私は、ヘンプを通じて、最終的には化石資源の使いすぎによる環境破壊と健康悪化と戦争依存型の経済発展モデルの脱却を目指している。
ヘンプの未知なる可能性と潜在力を発揮するには、多くの人の協力が必要である。ヘンプと一緒に新しいオルタナティブな社会と新しいライフスタイルをつくっていきたい。
きっと、あなたのDNAの中にも、人類とヘンプが歩んできた歴史と新しい未来をつくるのに参加したいスイッチがあるはずだ。
2006年7月7日
赤星栄志