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女たちの大地 [開発援助]フィールドノート 【書評再録】 | |||
●毎日新聞評(1992年10月13日)=海外援助活動を振り返り本を出版。 「援助の基本は、人と人のかかわりだと思います。される側の生活が見えてくる援助が実践できれば」と、第三世界への熱い思いを語った。 ●西日本新聞評(1992年11月8日)=学者であり実践者でもある著者は小さな村での3年間の日常体験を報告しながら“南”の人たちとのかかわりは単にモノや金や技術によるのではなく、ともに議論したり喧嘩したり「普通の日々の積み重ね」がなければ“関係”も築いていけないと実感をもって書いている。日本人は外地でも日本人ばかりで固まる傾向がある。同時に、私たちは悲しいことに人を人として見ることを忘れ、経済的に貧しいかどうか、金や物があふれているかどうかということを物差しとして“南”の国やそこに住む人たちを眺める成金根性を身につけてしまっているようだ。 ●読書人評=「開発」の効用と南北問題を考え直す貴重な示唆を与えてくれる。 ●地理評(1993年3月号)=本書は青年海外協力隊員としてアフリカのザンビアに赴任し、体当たりで村落開発に取り組んだ女性の活動記録であり、心の軌跡でもある。スーッと読み進めて、読後感も爽やかである。 ザンビアのモノカルチュア的経済体質はかつて植民地支配を受けていた国々に共通することであるが、これが「南」の国々と「北」の先進国との経済関係の基本構造に根ざしていることにも気づかせてくれる。 さりげない記述のなかに、本質的に開発援助とはどうあるべきなのか、またそれは一体誰のために行なわれるのかといろいろと考えさせてもくれる。 ●婦人展望評(1992年11月12月号)=南部アフリカのザンビアで、青年海外協力隊員として働いた女性の記録である。交通事故で一時帰国を余儀なくされるようなアクシデントやおそるべき官僚主義と戦いながら、現地女性たちと交流を深め、開発教育プログラムを実践し、南部アフリカ社会、ひいてはその対局にある日本社会の問題を考える、情熱的な日々が語られる。 開発援助の難しさを改めて認識させてくれる。 ●女性セブン評(1993年2月11日)=著者はアフリカのザンビアに、青年海外協力隊の一員として赴任しました。ボランティアの開発援助としての人的貢献の一端です。地域開発ワーカーを養成するために、トレーニング・カレッジの講師となった著者は、現地にとけこみ、活動を始めました。 しかし、電気も水道もない現地の貧困な生活にも、もちろん、古くからの「仕組み」があります。それが援助機関の政策の影響を受けてゆらぐとき、きびしい現実が顔をのぞかせます。そのゆらぎのなかの女性たちを率直に描いた迫真のレポート。 | |||
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