編者まえがき
第1章 国連化と非国連化の相克
−−経済問題を中心にみた国際機関の政治性…………………河辺 一郎
はじめに−−国際機関をめぐる議論の混乱
1. 思想としての国際機関
2. 国連化と非国連化
3. 非国連化の対象の変化−−東から南へ
4. 革命としての国連化
5. 反革命としてのレーガン政権
6. 国連化と非国連化の新たなせめぎあい
おわりに
第2章 世界銀行の開発ディスコースとネオリベラル型統治性−−批判的考察
………………………………………………………………………原田太津男
はじめに
1. 問題設定としての開発ディスコース
(1)開発ディスコースとは何か
(2)世銀の開発ディスコースとその分析視角
2. 主流派開発ディスコースの特徴
(1)市場・情報・制度−−新制度派的経済認識
(2)ソーシャル・キャピタルと市民社会
−−コミュニタリアン=ネオ・トクヴィリアン的社会認識
(3)参加と民主主義−−ネオ・リベラルの統治論
3. 新たな統治体制の出現−−ネオ・リベラルの奸計?
(1)フーコーの権力論・統治性論
(2)リベラリズムとネオ・リベラリズム
(3)主体の自由・自律と「距離による統治」
おわりに
第3章 貧困削減戦略における新視点−−PPAとPRSP…………………武田 圭太
1. 微視水準と巨視水準との連結
2. 貧困削減への参加
3. 貧困状態の測定診断
(1)参加型貧困アセスメントの要素
(2)測定診断の反復
(3)貧困削減政策への発展
4. 貧困削減の戦略
(1)参加の概念
(2)利害関係者の相互関係
(3)成果の評価
5. 有能感による自己統制
第4章 国連「貧困根絶のための十年」と脱貧困方策…………………佐藤 元彦
はじめに
1. 国連「貧困根絶の十年」と貧困緩和・解消のための手段
2. 脱貧困・貧困化のダイナミズムとマイクロファイナンス
3. 最貧困層を対象とする脱貧困プログラム
おわりに
第5章 貧困削減とマイクロクレジット…………………………………中村 まり
はじめに
1. 貧困層を取り巻く信用市場
(1)農村金融をめぐる議論
(2)農村への金融支援政策をめぐる議論
(3)経済学的理論化の試み
(4)開発のパラダイム変遷から見たマイクロクレジットの考え方
2. マイクロファイナンスを通じた市場への参加のメカニズム
(1)金融市場への参加
(2)生産物市場への参加
(3)労働市場への参加
(4)市場参加度を決める内生的要因
3. MFの2つの方向−−金融制度アプローチと統合的アプローチ
編者あとがき