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失業の心理学

【書評再録】


●人材ビジネス評(1997年4月号)=バブル不況が長期に及び、企業のリストラは今なお続いている。その中でリストラの対象となって失業する中高年はあとを絶たない。いきなり「辞めてほしいのだが」と通告された人は「一体なぜ私が……。私は一生懸命、会社につくしてきたのに」---。その日から苦悩と不安の日々が始まるのである。こうした人たちは多い。
この本は、そうした状況に置かれた人たちの苦悩や不安を少しでも緩和させる意味を持っている。
今の時代をきちんと把握し、真剣に辞めることを考えている人も、辞める心の用意がない人も「失業の心理学」が必要なのではないか。

●先見労務管理評(1997年3月25日号)=身近になった失業をテーマに様々な人間模様を紹介することにより、読者に働くことの意味を考えさせてくれるのが本書だ。
紹介されているのは、必ずしも暗い話ばかりではなく、失業によって人生をやり直そうとしている人、失業を契機に飛躍しようとしている人などが登場し、それぞれの人間模様を映し出す。
多くが物語形式で書かれ、失業という暗いテーマにも関わらず決して暗い本になっていない点は著者ならではの筆致だ。転職を考えている人も失業などは考えも及ばないという人も、高失業時代に備えるために、一読をお勧めしたい。

●ひろばユニオン評(1997年8月号)=「今日、進行している失業時代とは、必ずしも、あなたに落ち度があるからクビになるのではなく、落ち度がなくともクビになることがあるというのが特徴である」
たとえ自分は悪くなくても、いつ“災難”がふって来るか分からない。この理不尽なリストラ時代だからこそ「失業を人生の破滅への第一歩ととらえるのか、それとも人生再建への第一歩ととらえるのか」、いつでも前を向いて歩けるよう、心のあり方を整理しておこう、というのが本書タイトルの本意であり、テーマである。
実際に受けた数多くの相談事例が紹介されているが、それは、いま労働者がさまざまに置かれている境遇の詳細な“カルテ”とも言えるだろう。
いずれもシビアな話だが、多くは相談窓口の会話調で書かれており、読みやすい。いまサラリーマンが直面している現実を知るには格好のテキスト。
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