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日本の鉄道ことはじめ

【書評再録】


●毎日新聞評(1997年2月16日)=明治から大正にかけての鉄道にかかわる珍妙な話が50あまり集められている。“はじめてのダイヤグラムの秘密”“碓氷峠でのはじめての耐震設計”など、真面目な話もある。
鉄道の長旅で車窓の景色を眺めたり、弁当を食べたりの合間に一つひとつ読むと妙である。

●コンコース評(1996年12月号)=正史に記録されず、いわば世間の眼にはふれにくい「うもれている話」を、テーマごとに分けて56話として語っている。
はじめて聞く話、愉快な話、考えさせられる話など多々あって、興味はつきない。

●鉄道ジャーナル評(1997年2月号)=本書は日本の鉄道史の上で語られてきた数多くのエピソードを取り上げ、おもしろく解説したものであるが、類書と大きく異なるところは、取り上げた話の根拠となる史料をすべて明らかにし、該当する部分の文章を引用していることである。

●交通新聞評(1997年3月3日)=本書の内容はわが国における鉄道の誕生から今日に至るまで、125年余の長い歴史の中から埋もれている興味深い話を掘り起こし、50余にピックアップしたエピソード集である。
エピソードの分野は鉄道に関するあらゆる範囲に及ぶ。
客車暖房の湯たんぽ、軽便枕など、その形状をはじめて図で見るものも多い。しかも、すべてのエピソードにはその根拠が記されている。

●歴史と旅評(1997年4月号)=鉄道史には記録されない、多くの埋もれたエピソードが満載されている。鉄道マニアのみならず、日常なにげなく利用する乗客にも必読の好書である。

●学鐙評(1997年1月号)=明治5年の品川・横浜開通以来のエピソードの数々である。新橋・長浜間15時間の運転列車にトイレがなく珍談・悲劇が続くなかローカル線にまで普及したのは昭和初期。通学ラッシュで痴漢も出現、女学生の苦情から中央線に婦人専用席を設置した大正元年。昭和の初めまであったトンネルと鉄橋の見張り役。「自動式入場券発売函」の初登場は明治44年の大阪停車場で二銭銅貨使用。駅構内の新聞・弁当売りにまじり花売娘も。世相の変化は激しい。

●聖教新聞評(1997年1月11日)=1872年の開業式から、建設の裏話、客車、列車、従業員、駅業務の話など、埋もれている数多くの珍しい史実をイラスト入りで満載。

●赤旗「本と人と」欄(1997年1月13日)=鉄道草創期の埋もれた史実を発掘しています。
「歴史に記録されないものを残さなければ、という気持ちで続けてきた仕事です。発見する楽しみもあります」
例えば、ダイヤグラム(列車運行図表)採用のいきさつは鉄道関係の正式書類に記録されていません。運転事務の専門家として高給で雇われていたイギリス人が、誰にも見せずに机に隠していたダイヤグラムを、日本人職員が発見。これをきっかけに採用されていきました。時計を持たない庶民が正確な時刻を知るための苦労など、社会が「近代化」されていく当時の空気が伝わります。
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