書誌情報・目次のページへ 書評再録のページへ 読者の声のページへ
鼻の相談室 なやむ患者となやまされる医師

【内容紹介】本書「まえがき」より


 学問的に、鼻副鼻腔といわれる場所(構造)とその働き(機能)、そして特に最も大切な、その病気になる時なった時の状態(病態)や、診断または治療を正しく理解していただくことは、容易ではありません。このことは、医学生に講義や実習をする時にも同じように感じますから、ましてや患者さんにわかっていただくことのむずかしさは、百も承知という所です。
 患者さんには何もむずかしいことを知っていただかなくても、早く気持ちよく治してしまえばそれで良いではないかという考え方もあり、かえってなまじっか知ってもらうと、医者の方でめんどうだという方もあるくらいです。
 こういう考え方の誤っていることについては、今までの私の本でも幾度か述べましたが、やはり物事はその成り立ちを成りゆきを知っておいて、それに対処対応するのが一番良いことは申すまでもありません。それが人間のための医療というものです。
 よく理解しておればおられる程治療効果もあがり、再発の予防にもなることは経験上からも認められるところです。
 以上のように日頃から考えておりますので、皆さんの鼻についての理解に向けて、また挑戦してみました。
トップページへ