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胃がん治療のすべて
「胃癌治療ガイドライン」対応版

【内容紹介】●本書「はじめに」より


 胃がんは、日本では長年にわたって悪性腫瘍の死因の第1位を占めつづけてきた病気です。ごく最近になり、男性ではその地位を肺がんに譲りましたが、女性では今でもいちばん多くの患者さんが亡くなる悪性腫瘍なのです。しかし、一方では診断法の技術が進み、過半数の患者さんは早期胃がんの状態で発見され、よく治るがんの代表のようにもいわれています。
 このようなことは、もちろん一般の方にも知られていることですが、いざ自分や肉親がこの病気にかかったということがわかった今、その程度のあやふやな知識では、とても支えきれないような不安がわいてきているのではないでしょうか。
 人間にとって漠然とした不安ほど恐ろしいものはないといわれています。どんなに恐ろしいものでもその実態がわかってしまえば、戦う対策も立ち、勇気も出るし、覚悟もできやすいということです。
 自分ががんとわかったときのショックから立ち直るのには、1週間から1ヶ月程度かかるのがふつうです。しかし、その後はほとんどの方がショックから立ち直り、積極的に治療に取り組むようになるのも事実です。自分を安心させてくれるのは、正確な診断と正確な情報です。信頼できる医師に診断を受け、十分納得のいく説明を聞いて治療にのぞむことがいちばんよい方法であると思います。
 がんという病気は、命にかかわるかもしれない病気なのです。だからこそ、真実を知っておくことが大切であり、自分の人生とどうかかわってくるのかを十分理解しておく必要があります。心の動揺が激しいときに受けた医師からの説明は、冷静に理解できていないことがしばしばです。
 この本は、がんにかかった患者さんと家族が今の病状をゆっくりと自分のペースで理解し、さらにくわしいことを医師に質問できるようにするために作られました。じっくり読んでいただき、あなたと主治医の相互理解のお役に立てば幸いです。
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