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今昔物語と医術と呪術

著者……槙佐知子 →→著者略歴と主要著訳書
2400円 ●新装版 四六判 272頁 1993年4月発行

「今昔物語」の説話に隠された「医心方」の世界を、菊池寛賞受賞作家が掘り起こす。
10世紀の医学全書「医心方」と「今昔物語」を重ね合わせることにより、当時の疾病観や食物、養生法、薬物、治療法など、病気に対する考え方や、東洋の医術・呪術と日本文化との関係を浮かび上がらせる。

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【主要目次】
第1章・「医心方」の話
  1. 人間の知恵
  2. 森鴎外と「医心方」
  3. 国宝半井本の文字
  4. いまの医学とのちがい
  5. 医の心
  1. 「医心方」と「今昔物語」の編著者
  2. 病にも心
  3. 童子の姿をしていた病気
  4. 薬の心
  5. そのころの病名・治療法・薬の一例
第2章・「今昔物語」と「医心方」
  1. あわれみの心
  1. 薬にされたアブ・ハチ・ヒル
第3章・病気に対する考え方
  1. 「今昔物語」では
  2. 病気と死ぬこと
  1. 薬と医者
  2. 気による病気
第4章・鬼に打たれた病と鬼の唾
  1. 腰痛と妻の亡霊
  2. 打たれた姫君と消えた若者
  1. 物の怪による病
  2. 鬼に打たれた病の治療法
第5章・苦行のあと釈迦が口にしたもの
  1. 胡麻の効能
  1. 乳糜の効能
第6章・呪の米・薬の米
  1. 血のついた米
  2. 打蒔の米
  1. 稲の道
  2. 薬用の米
第7章・肉と養生
  1. 経巻になった魚
  2. 鴨を殺して出家した男
  3. 当時の肉食
  1. ナヨシのこと
  2. 鴨の効能
第8章・痩せる食事
  1. 瓜の効能
  1. 鮎の効能
第9章・仙人の食べもの
  1. 米屎の聖
  2. 当時の五穀
  1. 穀断ち
  2. 仙人食の調合
第10章・亀の恩返し
  1. 禁忌と亀卜
  1. 蛇が取りついた病気
第11章・妃に嫌われた口臭
  1. 口臭の消し方
  1. 芳香の処方
第12章・帝釈天の薬
  1. 帝釈天と阿修羅王
  2. 風病の治療薬
  1. 薬の材料
  2. 薬と神々
第13章・透明人間になる薬
  1. 後宮を悩ませた若き日の竜樹菩薩
  2. 姿を消す薬
  1. 足あとと白粉
第14章・一千年前の癌治療薬
  1. 拾得物をめぐる二つの話
  2. 犀角の効きめ
  1. 海上の道
第15章・現生利益の法
  1. 御手代の東人の場合
  2. 富を得る術
  1. 相思相愛術
  2. 御手代の東人は誰か
第16章・平中を悩殺した女と香料
  1. 焦がれ死した平中の話
  2. 香の原料と産地
  1. その女とは
第17章・古木に宿る霊の祟り
  1. 槻の古木を伐るには
  2. 元興寺
  3. 槻の妖精と麻苧
  1. 似たような話
  2. 中国の古木奇譚
  3. 妖怪変化と古代医術
第18章・サディストの女盗賊と薬
  1. 男と女のふしぎな秘めごと
  1. ムチの後の薬
第19章・眉間が一尺あった男の話
  1. 鉄をめぐる事件
  2. 眉間尺は誰か
  1. 鉄の道
  2. 鉄の効能
参考資料
  1. 薬の量目について
  1. 月建、十二直、干支のことなど
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