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日本の鉄道こぼれ話

著者……沢和哉 →→著者略歴と主要著訳書
2000円 四六判 250頁 1998年5月発行

日曜日のNHKテレビ「クイズ日本人の質問」で、鉄道関係の質問に対する解説もおこなっている鉄道博士の本。
国鉄総裁室修史課で「日本国有鉄道百年史」の編纂・執筆にたずさわった著者が、正史には記録されていない埋もれている史実を、創業のころや建設にまつわる話、停車場・運転にかかわるものや営業の話、政治家と鉄道や異色の人びとなど、テーマごとにわけて全64話として語る。
鉄道マニア必読の書。

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【主要目次】
第1章 鉄道創業のころ
  1. 歴史はくり返す---江戸と横浜の通い蒸気船
  2. 新橋ステーションに和風技術---生かされた江戸期の工法
  3. 寝るにはまくらが必要---スリーパーの命名
  4. 子ゾウの運賃は金10円なり---貨物営業のはじまり
  5. お宝の小判が100枚---鉄道工事で掘り出す
  6. 水車をまわして換気装置---柳ケ瀬トンネルの工事
  7. 次郎長おやぶんの奔走---静岡〜清水港の馬車鉄道
  8. 線路に追われたキツネやタヌキ---山ノ手線の建設工事
  9. タコ部屋のはしり---北海道の鉄道建設史
第2章 鉄道建設にまつわる話
  1. 黒人の流行歌から---レール湾曲機ジムクロー
  2. 道潅山が消えてしまった---隅田川貨物支線の建設
  3. サルが工事をじゃました---阪鶴鉄道の建設
  4. 喧嘩するいきおいで工事を---東郷大将と舞鶴軍港線
  5. まず村の生活を守る---あまるべ鉄橋の工事
  6. 利権屋VS地元の人びと---小海線(佐久鉄道)の建設
  7. これは大蛇のたたりか---折渡トンネルの工事
  8. ロングレールの開発---継ぎ目の強度をどうする
  9. 東京〜シンガポールを結ぶ夢---弾丸列車から新幹線へ
  10. 掘り出された安産石---関門トンネルの工事
第3章 停車場ものがたり
  1. お茶の産地に駅が---東海道線・堀ノ内停車場
  2. 暖炉をトイレとまちがえて---博多停車場の開業
  3. 土台木はボールトをもって---はじめての駅舎の耐震設計
  4. 設置をめぐる長いドラマ---三島停車場の誕生
  5. 話題をまいた万世橋停車場---今は交通博物館に
  6. 駅舎も列車も海中に---9月1日の根府川停車場
  7. 落語のネタにもなって---おもしろい駅名あれこれ
  8. 船のように浮いたビル---川崎駅の浮函工法
第4章 運転にかかわる話
  1. チャーミングホイッスルの採用---ラッパから汽笛へ
  2. タブレットが登場するまで---単線区間の通行手形
  3. 1日90マイル以下に---機関車乗務の仕事
  4. 車軸からも煙がもうもう---たいせつな注油夫の仕事
  5. スプラックとスコッチで---客貨車の置いてけぼり
  6. 空転寺からうれしの森---東海道線の難所
  7. 三本の松の木が目標---列車ブレーキの苦心談
  8. 創業時のSL大爆発---越後鉄道の白山駅で
第5章 鉄道営業のあれこれ
  1. ランプと鉄道---駅夫の仕事はたいへん
  2. 人力車からタクシーへ---構内営業のうつり変わり
  3. 客車の屋根で踊りや昼寝---乗客風景いろいろ
  4. 急行列車が大サービス---川崎大師に臨時停車
  5. 「通弁」とか「遠行ボーイ」と---観光ガイドのはじまり
  6. 新婚旅行のはじまり---明治16年に熱海へ
  7. 電気うちわは危険---車内のサービスに蚊帳も
  8. 「汽笛一声新橋を……」---大ヒットの鉄道唱歌
  9. ガイドブックのはしり---型やぶりの旅行案内
  10. コーヒー5銭、昼食80銭---国鉄食堂車の歴史
  11. 最初のアメリカ観光団---京都から横浜、日光へ
  12. やぶ蚊にまいった!---戦時下の女子改札掛
  13. 峠の釜めしものがたり---女社長のひらめきで
第6章 政治家と鉄道
  1. 四国視察旅行で大かんげい---後藤新平と軽便鉄道補助法
  2. 熱海を経由した東海道線---三浦梧楼のいっかつ
  3. 小海線の調査で落馬---政友会のボス小川平吉
  4. 国会で強硬な修正意見---土讃線と白石直治
  5. なべづる線の建設---大船渡線と佐藤良平
  6. 田んぼのなかに政治駅---東海道新幹線と大野伴睦
  7. 選挙のみやげに急行停車---深谷駅と荒船清十郎
  8. 雪に勝つ交通体系を---田中角栄と上越新幹線
第7章 鉄道と異色の人びと
  1. 江戸なごりの粋人---平岡熈の本業は技師
  2. 小唄の作詞で知られた---保線課長の三村周
  3. 70周年記念でオケの指揮---山田耕筰は電信ボーイ
  4. ドイツ皇帝も知る音響学者---汽車課長・田中正平の才
  5. 和風建築の鬼才---運輸課長・久保扶桑の余技
  6. 芸名は駅弁の名から---浪曲家の桃中軒雲右衛門
  7. 力自慢は保線の仕事で---鉄道省に相撲部が誕生
  8. 作者不明のミステリー---電気工事部次長・関四郎の小説
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