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アマゾンとアンデスにおける
一植物学者の手記
[上][下]

リチャード・スプルース[遺稿] アルフレッド・R・ウォレス[編纂]
長澤純夫+大曾根静香[訳]

各6000円+税 A5判 各415頁 2004年4月発行
[上]ISBN4-8067-1284-1 [下]ISBN4-8067-1285-X


908年にロンドンで刊行された本をもとに、日本で初めて訳される幻の大著。
19世紀半ば15年間にわたってアマゾン・アンデスの奥地に分け入り、植物採集・調査を行なった、ウォレス、ベイツと並び称される 英国の著名な植物学者の探検記。
スプルースの日記、書簡、論文、メモをもとに、深い親交のあったウォレスが編纂。
著者の手によるスケッチ画や貴重な写真とともに、熱帯植物の形態・生態はもちろん、 当時のインディオたちの風俗・習慣から、地形・地質まで丹念に描かれている。

書評再録 読者の声
【主要目次】

上巻

凡例
編者序言

第一章 パラと赤道の森

乾季、森林樹の開花◆沼地の植物◆封蝋を採取する木、猿の茶椀〈サブカヨノキ〉◆荒廃地の植物◆原生林◆カリピへ◆蝙蝠との闘い◆カライペの木◆ファリーニャ作り◆テングヤシ属◆タウアウ訪問◆原生林◆巨大な樹◆聳え立つ椰子◆板根◆気根◆幹の形状◆さまざまな樹皮◆蔓植物◆着生植物と寄生植物◆さまざまな形状の葉◆熱帯林の花々◆奇妙な果実◆椰子、その他の内生植物◆羊歯の谷◆パラの植物生産物〈有用植物〉

第二章 アマゾン河遡行、最初の居住地サンタレンへ

船旅の準備◆パラ川◆浮遊する水生植物◆アマゾン河で◆モンテ・アレグレの丘◆サンタレン◆ヒスロップ氏◆川と町◆カンポと丘◆散在する藪と樹木◆寄生木と地衣◆美しい藪と蔓植物◆低地のカンポの植生◆オオオニバス

第三章 オビドスとトロンベタス川への旅

オビドス行きの家畜運搬船の上で◆パリカトゥバ岬、壮麗な花◆カカオのプランテーション◆オビドス◆採集された植物◆野生のカカオ◆トロンベタス川へ出発◆キリキリ湖◆はなやかな色の登攀植物◆ピンドバ椰子の葉で葺かれた屋根◆アリペクルー川遡行◆最初の急湍へ◆小屋を建てることを拒否するインディオ◆カルナウ山登頂のこころみ◆森で道に迷う◆奇妙な花をもつ不思議な登攀植物◆珍しい水生植物◆菫◆花崗岩の岩場◆旋律を奏でる鳥◆ベンテス氏の農場への帰還◆シーダとよばれるさまざまな木◆矢に用いるアマゾン河の葦◆サンタレン帰還

第四章 サンタレン滞在−−植物と住民の観察

雨季◆浮遊する草の島◆氾濫する陸地とその影響◆アリゲーター鰐の大量死◆水生植物◆黄熱とその猛威◆健康に良くない川◆もっとも健康な東西に流れる川◆雨季の暑熱◆たいへんな二重の事故◆ジャガー遭遇の冒険◆ポルトガル人◆あるブラジル人紳士◆タンジールのユダヤ人◆未遂の殺人と強盗

第五章 下アマゾンの地質とサンタレンの植物相

サンタレンの火山性の岩◆扁平頂の丘◆広範に広がる砂岩◆下アマゾンの地質に関する最近の研究◆サンタレンの表面の火山性の岩石についての説明◆サンタレンの植生の景観◆一斉開花と芽吹き、短命植物◆タパジョース川の樹木◆湖の植生◆火山性の丘の植生◆サンタレンで食べられる野生の果実

第六章 サンタレンからリオ・ネグロ川へ

ひじょうに小さな船に便乗◆アマゾン河で聞く生命の息吹◆森の鼠との会話◆オビドス◆おびただしい数のアリゲーター鰐◆ヴィラ・ノヴァとトルクァート神父◆地名の変更◆ウラリア水道すなわちラモス川に入る◆「アス・バレイラス」滞在◆湖への遠征◆アリゲーター鰐の大群◆ピラルクー、すばらしい珍味◆道を説くインディオ◆ガラナとその製法◆船旅の継続◆ラモス川で採れるゴム◆みごとな森の木◆アマゾン河への出口◆危険な水路◆セルパ◆マカロックの製糖所◆リオ・ネグロ川◆エンリケ・アントニー氏

第七章 マナウスにて−−下リオ・ネグロ川の原生林の調査

編者の緒言◆ジョージ・ベンサム様 一八五一年一月一日◆ジョージ・ベンサム様 一八五一年四月一日〈箱を作るための板がない/新しい植物/リオ・ネグロ川遡行のために購入した小船〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五一年四月一日〈みじめな住居/沼地の多いカンポの植生/新発見の食べられる植物の根/イパドゥー/異なる植生をもつ乾燥したカンポ〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五一年四月一八日〈たえまなく降る雨/コレクションの記載/新しい興味深い椰子/美しいモモミヤシ/バーラの牝牛の木/新しい登攀植物〉◆ゼーマン博士殿 一八五一年四月二五日◆キュー王立植物園学芸員ジョン・スミス様 一八五一年九月二四日〈採集の困難な椰子/ひじょうにまれな羊歯〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五一年一一月七日〈ガポの木/マナキリーへ/ザニ氏訪問/どのようにインディオとつきあうか〉◆見捨てられたカコアール◆早朝の川の岸辺◆雨季の最盛期における最高の眺め◆ラジェスへの遠出◆さまざまな植生◆ジョン・ティーズデール様 一八五一年一月三日〈亀と鰐〉◆ジョン・ティーズデール様 一八五一年八月一七日〈奴隷と彼らの処遇/アス・ラジェス訪問/マナキリーにて/ブラジルの田舎の祭り/土地の人々の踊り/遊戯〉◆マシュー・B・スレイター様 一八五一年一〇月〈マナウス周辺の植生の概観〉

第八章 リオ・ネグロ川遡行、サン・ガブリエルへ

岩絵◆モウレイラにて◆ワナワカにて◆遠出◆キュー植物園学芸員ジョン・スミス様 一八五一年一二月二八日〈航行中の植物の観察〉◆ジョン・ティーズデール様 一八五二年六月二四日◆月食◆サン・ガブリエルまでの滝をさかのぼる一週間の危険な旅

第九章 サン・ガブリエル周辺の急湍と山岳樹林

ジョージ・ベンサム様 一八五二年四月一五日〈自分の船で旅することの利点/リオ・ネグロ川の植生/急湍で駄目になった植物の乾燥標本/サン・ガブリエルにおける損害/インディオの処遇/サン・ガブリエルをめぐる山岳の植生/クパナとよばれるガラナ〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五二年八月一八日〈サン・ガブリエルにおける餓死寸前の生活〉◆吸血蝙蝠◆ガマ山探検◆森の植生◆仮小屋◆セーラ登攀◆サルサパリラ根を採取する方法◆インディオの祭り

第一〇章 ウアウペス川の急湍と未踏の森への探検旅行

パヌレへの船旅の日記◆ブラジル人商人◆滝とウアウペス川遡行の旅◆タリアナ族インディオの首長カリストロ◆ジョージ・ベンサム様 一八五三年六月二八日〈なぜウアウペス川を遡行することができなかったか〉◆死と埋葬の風習◆ウアウペス川の水位の上昇と下降◆ジョージ・ベンサム様 一八五三年六月二五日〈植物学的知見〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五三年六月二七日◆パヌレまでのウアウペス川の岸辺の植生の特徴……◆蛇を喰う鳥

第一一章 サン・カルロスと上リオ・ネグロ川の丘陵

ブラジル国境の町マラビタナス◆粘土を食べるインディオ◆サン・カルロスにて◆ジョン・ティーズデール様 一八五三年七月一日〈インディオ襲撃の脅威〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五三年六月二七日〈気圧の規則性/オリノコ川の源流についての聞き取り調査/山脈と川の源/フンボルト追想〉◆コクイ山の登攀◆巨大な岩◆植生◆頂上からの雄大な眺め◆トゥカンデラ蟻の咬傷◆毒蛇◆ガラガラ蛇に咬まれて死んだ少年◆ジャララカ蛇に咬まれた男◆リオ・ネグロ川で人を悩ます害虫◆ジョン・ティーズデール様 一八五三年一一月二〇日〈オリノコ川航行のための船〉◆飲酒による二人のインディオの死◆ジョージ・ベンサム様 一八五三年一一月二三日〈上リオ・ネグロ川の植生/植物を保存することの困難/極端に高い湿度〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五三年九月一七日〈豊富なセン類とタイ類〉

第一二章 フンボルトの国で−−カシキアーレ水道、クヌクヌマ川およびパシモニ川遡行の旅

編者の緒言◆船の難破を回避◆蝙蝠の群翔◆グアナリの岩◆大きなサッサフラスの木◆バシバ湖◆ポンシアーノ村◆割れた岩、岩絵◆グアアリボ族インディオ◆カシキアーレ水道の植生◆オリノコ川到着◆エスメラルダとドゥイダの描写◆ジョン・ティーズデール様 一八五四年五月二二日〈すばらしい景観/「現実は地獄」〉◆住民◆クヌクヌマ川下航◆マキリタレス族インディオ◆先住民の踊り◆植生◆帰航◆モナガスの集落◆びっくりした爆発音◆パシモニ川遡行◆植生◆クストディオの集落◆二日間の狭隘な水路の旅◆サンタ・イサベルへの三キロの道◆底をついた食料◆イメイ山脈へ◆タルルマリ山◆興味深い植物◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五四年三月一九日〈旅の概要/カシキアーレ水道、パシモニ川、エスメラルダの植生〉◆クストディオの物語◆オリノコ川源流に関する覚書

第一三章 オリノコ川の急湍へ、そしてサン・カルロス帰還

マイプレスへの旅(編者による日記からの要約)〈トモへ/ヤビタへの道/ヤビタとバルサザール/サン・フェルナンド・デ・アタバポ〉◆テミ川とアタバポ川の植生に関する覚書◆マイプレスまでのオリノコ川下航の旅(抜粋)〈夜間にマイプレス到着/滝の水先案内人と聖ヨハネの絵〉◆村、周囲のカンポと連峰◆岩の上の植生◆乾燥肉の調製◆休息のない労働◆発熱◆死に瀕した五週間◆看護人は彼の死を願う◆ヤビタからピミチンへの移送◆マイプレスで採集した植物の一覧、その採集場所と科名◆ベネズエラ共和国統治下のリオ・ネグロ州の衰微◆ジョン・ティーズデール様 一八五三年七月二日◆サン・カルロスの発展について(日記)◆バーレ族インディオがウアルマとよび、スペイン人開拓者たちがセヘとよぶパタウア椰子について(日記からの抜粋)◆植物油について(ウィリアム・フッカー卿への書簡からの抜粋)◆食用昆虫(日記)◆サン・カルロスで遭遇した激しい雷(日記)

第一四章 サン・カルロスからマナウスへ−−リオ・ネグロ川下航の旅

サン・カルロス出発、水先案内人のクヌコに滞在◆スプルースの殺害と強盗の計画を盗み聞く◆サン・ガブリエル◆黒人の石工◆リオ・ネグロ川を下航中に観察された植生の特徴◆バーラからタルマ川への一八五五年二月一二日の旅◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五五年六月五日〈将来の計画〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五五年一月一二日〈地名変更の不都合について〉◆アマゾン河とリオ・ネグロ川の岸辺の相違◆リオ・ネグロ川のゴムの木について(日記より)◆ゴム産業の盛んな現状に関する編者の覚書

スプルースの生涯
資料および主要文献目録


下巻

第一五章 ソリモンエス川遡行二四〇〇キロメートルの旅−−バーラからペルーのタラポトまで

ソリモンエス川遡行の旅◆ソリモンエス川の植生に関する覚書◆プルス川の河口からコアリ川の河口まで◆タバティンガ−−ロレト◆はじめて見る植生−−コチキナ−−イキトス◆ナウタ−−サン・レヒス−−パリナリ◆パリナリの村長◆ペッカリー狩り◆はじめて見るアンデス山の眺め◆ユリマグアス◆すぐれた宣教師◆産業◆チャスタまでのワラガ川遡行の旅、あわせてそこからフアン・ゲーラとタラポトへの旅◆温水の流れる川◆急流◆チャスタ◆危険な急流◆絵のような景色、新しい植物◆マヨ川に入る◆ジョン・ティーズデール様 一八五五年七月◆ジョージ・ベンサム様 一八五五年五月二七日

第一六章 ペルー領東アンデス探検あわせてタラポト滞在

ジョン・ティーズデール様 一八五六年三月二三日〈クンバサのインディオの村/タラポト周辺の土地/シリカイオ川の岸辺/夜花を開く木/最古の町ラマス/気候/山岳に生育する北方系の植物〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五五年一二月二五日〈興味深い植生/美しい羊歯/道路も間道もないところの旅〉◆ラ・カンパナへの探検旅行◆ラマスの丘◆住民◆教養のある神父◆タバロソス◆リリオ=パンパ◆毒蛇に手首を咬まれたチュンビ◆スプルースの治療法◆毒針をもつ鱗翅目幼虫の被害◆ジョージ・ベンサム様 一八五五年一二月〈植物採集家の困難/鳥の採集家ホークスウェル〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五七年三月一〇日◆ジョージ・ベンサム様 一八五七年三月一四日◆ジョン・ティーズデール様 一八五七年三月一六日〈革命〉◆スプルースのタラポト滞在中の植物採集旅行の概要(編者まとめ)◆タラポトに通じる道

第一七章 タラポトからカネロスまでの小船によるボンボナサ川遡行の旅

日記からの抜粋(編者による)◆チャスタまでの陸路◆渦巻きに呑まれた船◆インディオの苦行◆マラニョン川遡行◆荒れ果てた村◆パスタサ川に入る◆サンタンデルの廃村◆ピンチェス・ヌエボ◆アンドアスにて◆インディオの描写◆親切な村長◆アンドアスからサラ=ヤクへ◆インディオの朝の化粧◆プカ=ヤク川の河口を通過◆サラ=ヤク◆危険な洪水◆プカ=ヤク◆男たちを待って三週間の足止め◆アンデスの壮大な景観◆カネロスへ

第一八章 カネロスの森を抜けてバニョスへ

カネロスからバニョスへ◆夜ごとの待避所のようす◆尾根と絶壁に沿って◆急流の増水による遅延◆ヒバロ族インディオの小屋◆三日の遅延◆アビタグア山の上へ◆世界でもっとも苔と雨の多い場所◆氾濫したシュニャ川を横断◆トポ川へ◆二晩の遅延◆危険な横断◆リオ・ベルデの農場◆バニョス到着◆カネロスの森の概説◆二回目のアビタグア山探検◆カネロスの森の植生に関する覚書◆

第一九章 エクアドル領アンデスの植物採集調査旅行と登攀

植物採集調査旅行の日程◆ジョージ・ベンサム様 一八五七年九月一日〈バニョスで森からの荷物を待つ/道中どのようにして苔を集めたか/バニョスの描写/トゥングラウアの大火山錐/ヨーロッパと同じ属の植物〉◆ジョン・ティーズデール様 一八五七年九月一四日〈バニョス、そこの温泉、巡礼者、そして地震〉◆ジョン・ティーズデール様 一八五八年三月一三日〈アンバトの位置と周辺、人々の作法と習慣/砂嵐の影響/ジェームズ・テイラー博士/リオバンバへ、チンボラソ山の景観/山の旅/市の日/町をめぐる大きな山々/アンバトの社交界〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五八年三月一六日◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五八年三月二四日〈羊歯〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五八年六月二二日〈アマゾン流域の種のおおよその数/新種の植物の採集を見送らなければならなかった苦悩〉◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五八年八月一五日〈苔植物〉◆ジョージ・ベンサム様 一八五八年八月一七日〈ベネズエラでの採集結果と未探険の植物の豊富な川筋について/ベンサム氏から受けている大きな恩義〉◆ジョン・ティーズデール様 一八五八年一一月二日〈高地アンデスの旅/コンドルの襲撃を回避/英国がアマゾンを領有しなかったことを残念に思うこと〉

第二〇章 アンバトとアラウシのキナ樹の

植物採集調査旅行の日程◆ジョージ・ベンサム様 一八五九年三月三日◆ジョージ・ベンサム様 一八五九年四月一三日◆ジョン・ティーズデール様 一八五九年四月一四日〈インディオとキリスト教/大地震/アラウシのキナ樹の森〉◆キトのアンデス西側斜面アラウシ渓谷のキナ樹の森探訪の覚書◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八五九年一〇月二〇日◆ジョン・ティーズデール様 一八五九年一一月一五日〈革命/エクアドルの衛生事情〉◆エクアドル領アンデスのインディオ

第二一章 チンボラソ山西側斜面のエル・リモンのキナ樹の森

一八六〇年の採集調査旅行の日程◆ウィリアム・フッカー卿殿 一八六〇年三月一二日◆アカキナノキの種子と幼木の採集旅行に関する報告◆森への旅◆アレナル川◆山腹をおおう花の衣◆グアランダで数日の遅延◆チンボラソの尾根を越えて◆美しいノボタン科◆リモンではじめて見た「アカキナノキ」◆トラピチェを占拠◆すばらしい森◆染料にすると勘違いされた「キナ皮」◆どのようにしてキナ皮を採取するか◆もっとも美しい木アカキナノキ◆森の哺乳類、鳥類、爬虫類◆昆虫◆大きな森林樹◆チンボラソのアカキナノキの森の植生の概要〈セン類/タイ類/地衣類〉◆クロス氏の到着◆克服しなければならない困難◆戦争の災害◆種子の採取、乾燥、栽培および挿し木◆グアヤキルへ乾燥した種子を搬送◆ジョン・ティーズデール様 一八六〇年一一月六日〈グアヤキルについて〉◆筏の製造◆若木を待つ◆筏によるグアヤキルへの危険な旅◆インドでキナ樹の移植に成功

第二二章 太平洋の海岸地方−−スプルースの南アメリカ滞在最後の三年間

植物採集調査旅行の日程◆ジョージ・ベンサム様 一八六一年三月九日〈植物研究の方法/植物に関する覚書〉◆ジョン・ティーズデール様 一八六一年六月二二日〈海岸の気候〉◆ジョン・ティーズデール様 一八六二年五月一四日〈財産の喪失〉◆ダニエル・ハンベリー様 一八六二年一一月二九日◆ジョン・ティーズデール様 一八六三年一月一二日〈ピウラへの旅/気候と住民〉◆北ペルーのピウラとチラの谷についての覚書〈地形と鉱物/在来の植生〉◆ジョージ・ベンサム様 一八六四年四月一三日◆ダニエル・ハンベリー様 一八六六年

第二三章 アマゾンの植生と動物の渡り

ダニエル・ハンベリー様 一八六四年一二月二〇日〈冬の太陽と葉のない木について〉◆サンタンデルについてのスプルースの報告◆ダニエル・ハンベリー様 一八六六年二月一日◆サンタンデルの書簡の翻訳〈リカルド・スプルース様 一八六七年六月三〇日/サンタンデル氏からドン・リカルド・スプルース様〉◆アマゾン河の植生の広い範囲におよぶ特徴◆植物と動物の関係◆昆虫の渡りの若干の事例◆移動する蟻◆鳥類と哺乳類の渡り◆魚の分布◆結語

第二四章 植物の構造を変化させる蟻

ダーウィンからの書簡◆リンネ協会事務局長からの書簡◆植物の構造における蟻の作用〈(一)袋をもつ葉について/(二)肥大した葉柄について/(三)肥大した枝について/(四)長く伸び、また管状になった茎と枝について〉◆編者による注釈

第二五章 アマゾンのインディオが使っている土産の向精神薬と興奮剤

アマゾン河流域とオリノコ川の珍しい向精神薬について◆カアピの用法とその影響◆嗅ぎ薬ニオポとその用法◆「まじない師」とその習慣◆インディオのあいだの精霊あるいは悪魔◆不思議なできごととその説明◆先住民には治療薬がきわめて少ないこと◆インディオが用いる興奮剤◆強壮剤として用いられるガラナ◆東アンデスで用いられる強壮剤グアユサ◆結語

第二六章 アマゾン河の女戦士とその歴史的考察

女戦士◆カルロス五世へのオレリャーナの報告◆確証となる証言◆真実だとする点で一致する歴史家たちの証言◆コンダミンの証言◆アマゾンの緑の石◆ベラスコの証言◆ローリーの報告◆ファン・フーヴェル◆アクーニャの結論

第二七章 リオ・ネグロ川とカシキアーレ水道で見られるインディオの岩絵、インディオの絵文字◆ラハ・デ・カピバラ◆絵の意味するもの◆カリポ川の絵◆パアプリス川の絵とその由来◆ジォウアリテの絵◆絵の起原と意味について

第二八章 インカの秘宝

バルベルデと彼の財宝の物語◆「デロテロ」すなわち案内書◆植物学者ドン・アタナシオ・グスマン◆スプルースへの地図の貸与そしてその模写◆地図の概要◆表題◆バルベルデの足跡を示す案内書◆「案内図」にしたがって企てられた秘宝発見の旅◆地図上のケチュア語の解説◆編者による考証

現地語の用語解説
訳者あとがき

索引  人名
 地名
 動物名
 植物名
 事項