リチャード・スプルース(richard spruce)略歴 1817〜1893
英国出身の植物学者。ヨークシャーの寒村ガンソープに生まれ、数学教師を務めながら幼少からの植物への関心を育み、独学の植物学者として名をなす。とくに蘚苔類の専門家として生涯に膨大な数の論著を発表。一八四五―四六年、フランスのピレネーで採集。四九年には南米大陸の植物を求めてアマゾン河河口のパラに下り立つ。下アマゾン河からリオ・ネグロ川、オリノコ川を遡行、カシキアーレ水道の錯綜部を探検。生涯深い交わりを結ぶこととなったウォレスとはこのとき出会った。五五年、リオ・ネグロ川から転じて上アマゾン河を遡行、ペルーのタラポトにいたる。五八年にはさらにエクアドルのアンバトに居を移し、ここを拠点にアンデス山系の探検調査に従事する。この間マラリアの特効薬キニーネの採れるアカキナノキの種子苗木を集めて東洋の熱帯地方に送り、プランテーションの建設に貢献。六四年帰国。その後は故郷のヨークシャーで研究生活を送り、九三年病弱のうちに七七歳の生涯を閉じる。
主な著書
アマゾンとアンデスにおける一植物学者の手記
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