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三峡ダムと日本 【書評再録】 | |||
●エコノミスト評(1997年10月28日号)=三峡ダムをめぐる世界各国の巨大建設会社、三峡ダム建設の現状をあますところなく描写した力作だ。
●東方評(1998年4月号)=(三峡ダムは)世界最大のダムになるというふれこみだが、120万人に達する強制立ち退きをはじめ、安全性や環境への悪影響などが指摘されてきた。本書はこれらの問題点を洗い直すとともに、この種の巨大水力工事の影に暗躍する世界と日本のハイドロ・マフィアの実態に迫ろうとしている。 ハイドロ・マフィアにどう対処すべきか。著者はまず暴露、次いでNGOなどによる反対運動を呼びかけている。これこそは、私たちの面前に提起された緊急かつ重要な課題なのである。 ●日刊ゲンダイ評(1997年9月1日)=巨大ダム建設がもたらす住民移住、堆砂、資金、文化遺産保護などさまざまな問題点を明らかにするとともに、ダム建設に食い込もうとした日本の政・財・官の動きを追ったドキュメントである。日本輸出入銀行や通産省は、日本企業連合体の建設受注をバックアップするために、融資や貿易保険の適用などを打ち出すなど、「世紀の愚行」に加担していると告発する。 ●東京新聞「印象に残った3冊・中村達也・経済学者」(1996年12月29日)=揚子江で始まった世界最大のダム計画の問題点を扱った、ここにジャーナリストありと思わせるような異議申し立ての書。 ●北國新聞「きょうの人」欄(1997年9月23日)で紹介されました。 ●赤旗評(1997年9月22日)=中国一の大河・長江に建設が進む世界最大級の多目的ダム「三峡ダム」プロジェクトの問題点を多面的に解明しながら、同ダム建設を食い物にする日本の「開発マフィア」の実態に迫った労作です。 冷静な筆致で多面的な事実を積み重ねながら、「三峡ダムの建設は『川殺しの世紀』と呼べる20世紀を象徴する最大の愚行」と断じる論証は説得的です。 三峡ダム問題が「日本の問題」であることを示すのが、中国市場獲得の思惑含みで開発計画に深く関与する「開発マフィア」のうごめき。日本政府が、ODAなどの公的資金を使って企業の海外進出をバックアップしている構造のち密な検証です。 「世界的なダム建設見直しの時代を迎えた」といわれるいま、「開発」政策を問い返し、日本の公共事業のあり方をも考え直す格好の材料です。 | |||
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