トップページへ

地下水人工涵養の標準ガイドライン

アメリカ土木学会環境・水資源研究所[著]
肥田 登水谷宣明荒井 正[訳]

3600円+税 A5判 200頁 2005年5月発行 ISBN4-8067-1307-4

持続可能な地下水資源の活用、地下水・湧水環境の保全のために………
産業革命後から全世界に広がり実施されてきた“地下水の人工涵養”。
河川の汚染、地下水位の低下、湧水の枯渇と、水をめぐる問題が深刻化している日本でも、注目されている。
実施するさいに必要な、計画・調査・設計・水権利・環境・経済・建設・維持管理など、実績のあるアメリカ土木学会のガイドラインを紹介。

書評再録 読者の声
【主要目次】

目次

第1章 総論
1.1 目的
1.2 適用の範囲
1.3 地下水と地下水管理の考え方
 1.3.1 地下水の賦存状態
 1.3.2 地下水の水質
1.4 地下水人工涵養の考え方
 1.4.1 基本用語
 1.4.2 涵養の方法
  1.4.2.1 地表浸透
  1.4.2.2 井戸による涵養
  1.4.2.3 その他の涵養方法
 1.4.3 涵養水源
 1.4.4 涵養した水の採取
 1.4.5 水質上の問題
1.5 本報告の構成

第2章 計画
2.1 事前の準備
 2.1.1 水需要量の決定
 2.1.2 公共への配慮
  2.1.2.1 地下水人工涵養の公共的合意
  2.1.2.2 人工涵養の住民の理解
 2.1.3 涵養目的の決定
2.2 データの収集
 2.2.1 自然条件に関するデータ
 2.2.2 自然条件以外のデータ
 2.2.3 データのまとめ
2.3 資源の評価
 2.3.1 使用できる水源の量と質の評価
  2.3.1.1 使用する水源のアクセス性
  2.3.1.2 水源の長期アクセス性
  2.3.1.3 法制および環境上の制約
  2.3.1.4 費用対水質
  2.3.1.5 水源としての下水処理水
 2.3.2 地下水源の評価
  2.3.2.1 有効貯留量
  2.3.2.2 運用する地下水位の上下限
  2.3.2.3 水質
  2.3.2.4 水源としての水処理
 2.3.3 可能涵養地点の目録
2.4 事前調査
 2.4.1 水理地質
 2.4.2 地下水質
 2.4.3 環境
 2.4.4 予備モデル化
 2.4.5 法律・規制・水利権
2.5 涵養方法と揚水施設
 2.5.1 地表涵養
  2.5.1.1 土堰堤
  2.5.1.2 ゴム引布製起伏堰
  2.5.1.3 フラッシュボードダム
 2.5.2 地下浸透
  2.5.2.1 涵養揚水併用井戸(ASR井戸)
  2.5.2.2 乾式井戸からの涵養
 2.5.3 付帯施設
2.6 諸課題
2.7 概念設計
 2.7.1 地表浸透の概念
 2.7.2 土壌帯水層処理過程(土壌浄化)
 2.7.3 涵養井戸の概念
 2.7.4 処理下水を使う涵養の概念
 2.7.5 サイト(場所)条件
  2.7.5.1 サイト(場所)周辺の条件
  2.7.5.2 地表・地下条件
 2.7.6 法制上の要件
 2.7.7 サイト(場所)概念設計
  2.7.7.1 計画案の検討
  2.7.7.2 公共への周知
  2.7.7.3 補足調査の選定案
  2.7.7.4 追加データ要求の決定
  2.7.7.5 概念計画報告

第3章 現地調査と現地における検証
3.1 地表探査
3.2 地下探査
3.3 水理パラメータ
3.4 水質
3.5 サイトと環境の価値

第4章 設計
4.1 予備設計
 4.1.1 地上施設の設計基準
 4.1.2 地下施設の設計基準
 4.1.3 代替案の定式化
 4.1.4 モデルによる検証
 4.1.5 予備事業による検証
 4.1.6 費用・水量・水質
 4.1.7 環境調査
 4.1.8 計画案の評価
  4.1.8.1 住民の参加
  4.1.8.2 経済的配慮
  4.1.8.3 評価・収集を要するデータ
  4.1.8.4 法律・規制・水利権
  4.1.8.5 最適案の選定
 4.1.9 報告
 4.1.10 公聴会
4.2 最終設計
 4.2.1 環境データの更新
 4.2.2 事業の寿命
 4.2.3 水源の有効性
 4.2.4 事業の運用と維持管理計画
 4.2.5 最終報告書の原案
 4.2.6 公聴会の実施手順
 4.2.7 反対意見の取り扱い
 4.2.8 最終報告
 4.2.9 定期的な見直しの計画

第5章 規制と水利権の問題
5.1 背景
5.2 水利権
5.3 法律上の問題
5.4 慣例上の制約

第6章 環境上の問題
6.1 環境評価・報告・見直し
6.2 環境・社会的問題への取り組み
6.3 環境に与える効力

第7章 経済性
7.1 費用
 7.1.1 土地取得費用
 7.1.2 通用権取得費用
 7.1.3 設計費用
 7.1.4 技術的費用
 7.1.5 建設費用
 7.1.6 運用・維持費用
 7.1.7 臨時支出
 7.1.8 許可申請費用
 7.1.9 取り替え費用
 7.1.10 閉鎖/撤去費用
7.2 財務分析

第8章 建設
8.1 涵養井戸の掘削技術
 8.1.1 ケーブルツール掘削法
 8.1.2 泥水循環型ロータリー掘削法(従来型)
 8.1.3 逆循環型ロータリー掘削法
 8.1.4 エアロータリー掘削法
8.2 作業手順
 8.2.1 搬入・組み立て
 8.2.2 孔口ケーシングの設置
 8.2.3 パイロット孔の掘削
 8.2.4 検層
 8.2.5 水質サンプリング
 8.2.6 拡孔
 8.2.7 ケーシングおよびスクリーン挿入
 8.2.8 充填砂利
 8.2.9 遮水
 8.2.10 仕上げ
 8.2.11 揚水試験
 8.2.12 その他の活動
 8.2.13 解体・搬出
8.3 建設の記録

第9章 立ち上げ
9.1 立ち上げ手順
9.2 操作手順
9.3 井戸停止手順

第10章 運転・維持管理・閉鎖
10.1 はじめに
10.2 運転員の訓練
10.3 記録の保持
10.4 操作上のデータの要求事項
 10.4.1 水位の測定
 10.4.2 水質の測定
10.5 施設の追跡操作
10.6 予防保全
 10.6.1 地表浸透施設の維持
 10.6.2 人工涵養井戸の維持
 10.6.3 腐食の防止
10.7 潜在する問題
 10.7.1 地表涵養施設の目詰まり
 10.7.2 涵養井戸の目詰まり
  10.7.2.1 懸濁物質
  10.7.2.2 化学反応
  10.7.2.3 拘束空気
 10.7.3 乾式井戸の目詰まり
 10.7.4 水深
 10.7.5 地下水面
 10.7.6 望ましくない土壌条件
 10.7.7 悪臭と病原媒介生物
 10.7.8 健康への影響
 10.7.9 環境
 10.7.10 地下水のマウンド(地下水堆)
 10.7.11 堤防や基礎からの漏水
 10.7.12 ゴム引布製起伏堰・フラッシュボードダム
 10.7.13 出砂
 10.7.14 土壌−浄化の持続性
 10.7.15 水破砕作用
 10.7.16 その他の問題
10.8 水質
 10.8.1 前処理
 10.8.2 化学的処理
 10.8.3 沈殿
 10.8.4 草/土壌フィルター
 10.8.5 土壌帯水層浄化
 10.8.6 湿地の形成
 10.8.7 涵養後の処理
10.9 現地管理
 10.9.1 目詰まり層の除去
 10.9.2 涵養井戸の再生
 10.9.3 乾式井戸の運用
 10.9.4 出砂の補正
 10.9.5 マウンディング(地下水堆形成)
 10.9.6 涵養期間と運用順序
10.10 施設の閉鎖または廃止

付録
付録A 地下水に関する用語集
付録B 単位と記号
付録C 参考文献
付録D 環境チェックリストの一覧表
付録E 単位の換算

索引