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アメリカはなぜダム開発をやめたのか

【書評再録】


●朝日新聞(1996年9月5日)=ダム建設など公共事業のあり方をただす取り組みが一冊の本にまとまった。政治家と市民と学者がスクラムを組み、官僚支配の構造にメスを入れようという新しい流れの結実だ。強圧的なダム行政に対抗する方法のなかった住民を勇気づけるとともに、巨額の税金が費やされる公共投資を、納税者が監視すべきだという明快な視点が示されている。

●週刊金曜日(1996年12月13日号)=アメリカのダム事業を視察した議員・研究者・ジャーナリストらの視察レポート。アメリカの公共事業のいまを伝える。

●週刊ダイヤモンド(1996年12月14日号)=日本の進路を誤る公共投資を見直す。
アメリカでは「ダム時代は終わった」という宣言が、開発推進当局によってなされている。
それはなぜか。渡米してその理由を日本の超党派の議員による「公共事業チェック機構を実現する議員の会」の面々は探った。その報告書が本書である。

●日刊ゲンダイ(1996年10月30日)=かつての巨大ダム王国アメリカがダム開発中止に転換した過程を報告している。転換の理由は流域の環境破壊と「ハイドロ・マフィア」(水資源開発に暗躍する土建業界ロビー)への世論の批判。なかなかに説得力のある本だ。

●中央公論(1997年2月号)=井上一馬・アメリカでは国民の代表である議会が全面的に関与することができ、議員や議会に働きかけることによって、そこに国民の声が反映されるしくみになっているのである。
ところが日本ではそういうしくみにはなっていないのだ。
「アメリカはなぜダム開発をやめたのか」という本を読んで私がいちばん驚かされたのもその点だった。
この本には、住民が反対した場合に、計画を推進する側がとる方法の一端も紹介されている。

●図書新聞(1997年1月18日号)=今の日本における民主主義は、名ばかりのものでボスを中心に勢力争いが形成されそれぞれの利害関係のもとに全体社会が形成されているので、大きな政策転換や流れを民主的な動きの中で変えていこうとするには、大変な努力と、時間と、日本人の意識改革が必要な気がします。その中において、今何をしたらよいのか? 納税者たちは個々に考えていることはあっても、それを具体的に表現し実行に移す術を何に求めたらよいのか?
本書はその手引の一役を担うかもしれません。

●土木学会誌(1997年2月号)=今日、行財政改革が最重要政策課題として国民的な議論が進む中で、米国での新たなる河川管理の潮流を学び、日本の河川法公布百年という節目に、今後のあり方を考える時宜を得た本といえよう。
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