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イザナミの伝言 古事記にさぐる女の系譜

【書評再録】


●日本経済新聞評(1998年6月23日)=『古事記』の魅力は登場する女たちが女らしくないことだと著者はいう。女神はもちろん人間の女も男と対等に渡り合い歴史を作っている。本書は『古事記』を中心に『風土記』や『日本書紀』も参考にして、古代の女系社会の痕跡を追う。神話や歴史の世界から消された女王たちがよみがえる。

●信濃毎日新聞評(1998年8月2日)=男の都合で作られた常識をとっぱらって「古事記」を読み直してみると、「日本書紀」において神話、伝承のなかに消された闊達な女たちの姿が浮かび上がってくることを、著者は見事に検証してみせる。
著者に読み解かれる「古事記」や「日本書紀」は「目からウロコもの」である。

●中国新聞ほか評(1998年6月14日)=『古事記』や『日本書紀』は、8世紀ヤマト朝廷の立場、具体的に言えば陰陽科学や男性優位思想の観点から編成したので、歴代天皇から女王を外したのではないか、と中山は読む。つまり「推古」以前にも女王はいたというのだ。結論的にいえば、「歴代天皇は記録時に編成された」という仮説である。
その解読は独断ではなく『古事記』に忠実に行われているから刺激的だ。

●出版ニュース評(1998年7月下旬号)=〈記・紀〉神話の始祖神が女神であったこと、『古事記』が女系の存在を隠そうとする男性優位思想によって編纂されたことを明らかにし、古事記に断片的に遺されている女系系譜を読み解いていく。大胆な仮説だが、古事記の底に消されていった女たちの姿を浮かび上がらせていく筆致は実にみずみずしい。
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