・・・失敗した人は続出中、100万戸単位に・・・
　実は、この片方の情報がきちんと検討されなかったため、住み始めてわずか２、３年で失敗をした、という被害に遭う方々が日本では今、人知れず続出中です。
　それは隣地との境界ぎりぎりに他のマンションが建てられる、というケースが一番多いのですが、被害者はここ10年ぐらいで驚くことに100万戸を超えています。
　これはたいへんなことです。
　そこで本書では、マンションのノウハウ書としては初めて、周辺環境による被害に遭わないためのアドバイスを、プロの視点からわかりやすく解説しました。
　これがまず本書の最大の特徴です。

・・・一生の資金計画までぶち壊しに・・・
　さらに、隣にマンションが建つという問題は、実は暮らしの快適度を破壊するだけではないのです。ここがこの問題の始末におえない点です。
　境界線ぎりぎりに建物を建てられてしまったマンションは、不快な物件とされるため、その資産価値は大きく落ちてしまいます。
　考えてもみてください。このような物件を誰かが新たに購入するとしたら、４、５割安くても買うかどうか怪しいものです。
　つまり、そうなったら皆さんの物件は価値を失い、一生の資金計画がまるで狂ってしまいます。周辺の環境を検討しておくことは、非常に大切なことがおわかりいただけると思います。

・・・誰も触れない未来予測も・・・
　また、マンション選びについて現在溢れている情報には、ほとんど未来予測がなされていません。しかし、今、人気と思える物件も将来どうなるのかは、誰もが心配するところです。
　マンションを購入する方の多くは、いずれは物件を買い換えようと考えていらっしゃることと思いますから、将来、つまり10年後くらいに、マンションの市場がどう変わるのか、また都市別、地域別、近隣区ごとにどう変化するのかを知っておきたいのは当然のことと思います。これも、資産価値の判断の重要な部分となります。本書では、この未来予測も取り上げました。

・・・基本的ノウハウはもちろんふんだんに・・・
　これまで周辺環境を強調してきましたが、建物内の環境も大切であることは言うまでもありません。住んでみて、使い勝手が悪かったり、快適さが感じられないのでは、周辺の環境がいくらよくても、これまた困ります。
　そこで本書では、他の専門家の先生たちも強調している、マンションのつくりに関するチェックのノウハウについても、多くのページを割き解説しました。
　また、本書の特徴としては、将来それらがどう不便になるのか、または快適なままでいられるのかも織り込んであります。

・・・建て替え、管理組合の問題も・・・
　さらに、このところ住民にとって不安となってきているのが、建て替えとスラム化の問題です。また、管理組合と管理会社の関係も、各地で問題化しています。
　これらについても、取材を基に、理論でなく素人の取るべき最善の策をアドバイスしています。

・・・マンション探しは一生を左右する・・・
　最後に、マンションを購入するのは一生の問題であるということを忘れないでください。住むのは必ずしも一生ではないにしても、高い買い物という意味では、一生に１度か２度の買い物です。しかも、２度目の購入では多くの場合、現在の物件を売るということが伴います。これは、次の買い物の貴重な資金となるので重要です。
　にもかかわらず、多くの人々は往々にして、幾つも物件を見るのは面倒だからとか、仕事が忙しいのでほどほどになどといって結局内部のつくりと立地だけで、物件を決めてしまっているのが現状です。
　そして結局、住んだ後に本当に泣くことになるのです。筆者はこうした問題も数年間テレビ取材し、とんでもない物件を掴まされた人たちを実際にたくさん見てきました。その中には、「まさかこんなことが」という人たちもいましたし、「少々気にはなっていたけど」という人たちもいます。
　いずれにせよ、結局十分な検討をせず購入してしまったわけで、皆さん泣くに泣けないことになってしまっています。交通事故ではありませんが、ほんの小さな不注意が、1000万円単位のお金をふいにしてしまっています。
　マンション選びのポイントは、つくりと立地、そして将来も変わらぬ周辺環境と資産価値、の四つです。
　従って、皆さんは物件についてこれらの四つを十分検討し、あわてず、じっくり、本書のチェックポイントと照合しつつ、時間をかけて、善し悪しの選択を行うことが大切なのです。
　マンション価格は極めて高額です。ローンも長く、皆さんが汗水流して払ってゆくものです。ですから、失敗したらたいへんです。物件選びはぜひ慎重に、本書を参考にしつつ、よく吟味して行ってください。
　それが皆さんの幸福に直結します。