編著者……草野信男 →→編著者略歴と主要著訳書 7282円 ●新版 A5判 106頁 1995年7月発行 放射能にさらされた人体は、どのように破壊されるのか。原爆による被害の写真、原爆症の臓器の写真、原爆症病変の顕微鏡写真を38ページにわたって収録した本書は、原爆の残忍さを改めて認識させてくれる貴重な記録である。
長崎、井樋の口付近。8月10日(被爆翌日)午前10時頃、爆心より1.5Km。炎天の8月の太陽と一面焼土と化した地熱をさけようとして、負傷者が10名程破壊された1台のトラックの日蔭に倒れ伏していた。1人の医者も飲料水の救援もなく、それらの来るのをあてもなく待っていた。(山端庸介撮影)
写真上
長崎、爆心より1.4Kmで水泳中に被爆。ケロイド。(調査団蔵、1947年2月撮影)
長崎要塞司令部構内にあるこの建物(爆心より5Km)の屋上には対空監視哨があった。空襲警報解除となって監視の兵隊が屋根から降り帯剣をはずして汗をぬぐっている折、閃光を浴びた。赤褐色のクレオソートぬりの羽目板に当時のままの姿が焼け残っていた。(8月20日松本栄一撮影)
広島、被爆せずに爆発直後に中心地で働き、5年後に白血病で死亡した兵士。放射能が強く働いたと思われるところに白血性の結節が現われた。(広島大学、渡辺教授蔵)