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人間生命の誕生


著者……三木成夫
→→著者略歴と主要著書
2400円  四六判 ハードカバー 256頁 1996年8月発行
ISBN 4-8067-4574-X

没後、ますます評価の高まる著者の、未だ成書にされていない論文、講演録、エッセイなどを、生命論・保健論・人間論・形態論として編んだ、「三木学」のエッセンス。
数少ない三木成夫の著書の中でも未発表の文章を収録しました。

吉本隆明をはじめ、養老孟司、中村雄二郎、市川浩などの思想家からも、評価が高まる三木成夫。解剖学・発生学の研究から得た平易な言葉で語られる「内臓感覚」といった三木思想には、西洋の近代知が排除してきた人間と自然との共生や、現代が抱える諸問題に対処するためのヒントがあります。

ゲーテは自らの形態学を「文芸と科学」に共通する教えのひとつであると述べている。この言葉を今日ほど、必要とする時代はかつてなかったのではあるまいか。
見よ。「かたち」はこの今も瞬刻としてとどまることなく
流れつづけてゆくではないか……

羊膜の玉に包まれ、太古の海水に浮かび上がるその情景は
「人間生誕」の刹那を表わした
類まれなる作品と思われる。
人間形成とは人間の原形完成の謂れである。
それはすでに述べた"人間らしさ"の完成にほかならない。
人間の生命はこのとき初めて誕生する……。

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【目次】

 
1 生命とは何か---生命論
  誰が人間を創ったのだろう
 1・生について---看護本来のすがた
 2・人間の精神と自然の破壊
 3・人間生命の誕生
   はじめに/生命とは何か-その二つの意味について/人間の生命形態-植物・動物との比較/むすび

2 からだと健康---保健論
  生活を左右する「体内時計」その1
 1・「ツボ」の比較解剖学的考察---東西医学の源流
   はじめに/痛みの本態能/筋収縮の条件/体脂肪筋と内臓筋/皮膚-筋肉の連関/むすび
 2・「上虚」の医学的考察について
 3・上腹部(みぞおち)の構造とその機能について
 4・鰓呼吸から肺呼吸への歴史
 5・「お喋り」の起原
 6・呼吸の波---宇宙リズムとの交流
 7・対談 現代の子の生活リズム---学業不振の原因がここに?
   発達にもリズムがある/睡眠空腹状態の子どもたち/人類もまた"冬眠"する?
   7日周期で大きな脱皮をする
 8・リズムのずれによるからだの「不調」---日リズムの分析
   「不調」の訴え/「不調」のなりたち/「不調」の体質/「不調」の対策
 9・夜行の生理---隠された潮汐
 10・夜型人間の生理学的構造
   眠りと目ざめのリズムは、夜のほうにズレる傾向/人間の体内には潮汐リズムがひそんでいる
   朝型社会で、夜型人間が生きていくには
 11・「イッキ」飲みに際して

3 先人に学ぶ---人間論
  生活を左右する「体内時計」その2
 1・ゲーテと私の解剖学
 2・上野の杜の生物学---『ゲーテ全集』によせて
 3・植物的および動物的---アリストテレスに学ぶ
 4・思いつくままに---浦良治先生の思い出
 5・「古代」に注がれる眼---井尻・今西の比較解剖試案
 6・堀越千秋くんに

4 生命形態学への道---形態論
  左脳診断から右脳診断へ  1・脾臓の過去
   不可思議な斜陽臓器/腸と腸循環との仲/腸管二次静脈を生み落とす/古世代の夢の再現/造血の古都
 2・「原型」に関する試論---人体解剖学の根底をなすもの
   原形とは何か-"おもかげ"の意味に就いて/原形の体得まで-「記録」に就いて/原形を求める-Phyogenie
 3・ゲーテの形態学と今日の人体解剖学---現代科学の岐路に立って
   はじめに/『ファウスト』と形態学/植物メタモルフォーゼ/解剖学の二つの道/むすび

解説・三木成夫先生について---後藤仁敏