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森林ビジネス革命
環境認証がひらく持続可能な未来

著者……マイケル・B・ジェンキンス→→著者略歴と主要著訳書
    エミリー・T・スミス→→著者略歴と主要著訳書
編訳……大田伊久雄+梶原晃+白石則彦→→編訳者・訳者の一覧へ
4800円 A5判 336頁 2002年1月発行

1990年代に大きく動き出した森林/木材認証制度を取り入れ、世界市場のなかで利潤を上げている20余の先進的なビジネス・ケーススタディを紹介。
森林セクターにかかわる企業のリーダー、林業家たちが、環境と経営の戦略をいかに構築していけばよいかを鮮やかに示し、世界で大きな反響を呼び起こしたリポート、待望の日本語版。
 
森林認証制度への取り組みなど、いままさに起こりつつある変化への対応が遅れている世界最大の木材輸入国日本。木材産業、住宅、紙パルプ・化学素材分野のビジネスは、エコノミーとエコロジーをどのように収斂させていけばよいのか、そのビジネスモデルをズバリ提示した。
日本国内の森林育成、木材生産にかかわるリーダー、行政担当者にとっても、森林/木材認証制度をてこにした、世界に誇れる日本の育林技術、施業技術の再評価・林業再生への示唆に富むリポートである。

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【主要目次】
【序 章】
持続可能な林業と企業利益…8  重要なターニングポイント…10 森林破壊がもたらす負の遺産…11  より価値の高い森林…11 木材供給の減少への対応…12  新たな競争…12

【第1章 新たな地平を求めて】
持続可能な森林…18  規模の問題…19  持続可能な林業…20 新たな地平の追求…21  機会…21  挑戦…25 適応学習としての持続可能な林業…27  戦略の評価…27 結論…28

【第2章 激動する木材産業】
業界を変える圧力…30  政府によるいっそうの監督…41 変わりつつある木材産業と環境リスク…42 持続可能な森林経営への新しいビジネスチャンス…43 厳しい紙パルプ産業の将来…44  環境適応の新しいサイクル…46 木質パネルとエンジニアードウッドの時代…47 世界的な化粧単板市場…52  製材品の展望…53 アメリカの広葉樹の現状…55  アメリカの広葉樹の環境的好機…56 環境の力によって形づくられる未来…58

【第3章 拡大する認証木材市場】
持続可能性をめぐる前進・後退…62 持続可能な経営を取り入れることへの圧力…62 需要と供給の隔たり…73  木材から紙製品へ…76 変わりつつあるアメリカ市場…79  リサイクルの教訓…82 カナダにおけるISO14000認証…83 日本とアジアにおける低い関心…84  グローバリゼーション…85

【第4章 技術への新たな要求】
違いのある技術…88 将来有望な持続可能な森林経営技術に対する障壁…90 簡単に使えるGISソフトウェアから得られる林家のための情報…96 環境にやさしい伐採機械:ポンス・システム…97 廃棄物利用と効率向上のための製造技術…98 木材廃棄物変換:スクラップ・リカバリー・システム…99 木材乾燥技術:トリム・ブロック・ドライング・ラック・システム…99 短小材と廃材利用:未乾燥木材のフィンガージョイント技術…100 グリーンウェルド・プロセス…102 大豆ベースの接着剤:クライビッチ・システム…103 廃棄物の削減:多機能ロボアイ…104 材質の改良:インデュライト・テクノロジー…105 熱帯地域における適切な持続可能森林経営の技術…107   BOLFOR:ボリビアにおける持続的森林経営プロジェクト…108 変化を誘う解決策…110  経済的パートナーシップの強化…111

【第5章 先駆者からの教訓】
「元本と利子」による経営…114 持続可能な林業に関連した戦略…115 オレゴン州とカリフォルニア州での造林事業…116 より健全な森林、隣人との良い関係、満たされた従業員…119 持続可能な森林経営の制約…120  未知数の認証製品市場…122 認証製品に対する市場の壁…123  販売における成功と失敗…124 「グリーン」プレミアムはどこに存在するか…126 高い経営成績…126  持続可能な森林経営の予期せぬ帰結…127   得られた教訓…128

【第6章 環境と経済の両立】
メノミニーの森――永遠に茂る樹々…130 バーノン計画――けるための丸太選木…145

【第7章 持続可能な林業への私有林所有者の参入機会】
さまざまな会計帳簿…154  アメリカにおけるNIPFの概要…154   専門家の助言の重要な役割…158  非市場性便益の重要性…158 ブァンナッタ家のツリーファーム――3世代の生活の糧…160 フリーマン一家のファーム――スチュワードシップの実践…163 リオンズ一家の土地――健全な林業による収入…166 トラピスト修道院林――対立の効果的な解決…167 ブレント氏の森――ダグラスファーの永続的森林…171 税制――持続可能な森林経営の大きな障害…173 カリー家の森――相続税の衝撃…174 フレデリック家の地所――投資法人の設立…175 NIPFのための認証の新しいモデル…177 小規模林家の認証体系の将来…180  溝を埋める…181

【第8章 ニッチ市場を求めて】
パーソンズパインプロダクツ社――ゴミを現金に…183 コロニアルクラフト社――初期の認証ベンチャー…191 ポルティコ社――垂直的統合の力…199

【第9章 難しい熱帯地域での持続的森林管理】
複雑な熱帯材の需給関係…209   移り気なアマゾンの木材産業界…209   さらに厳しい政府の政策…211  破壊に代わる道…212 導入された持続可能な森林経営システム…213 品質を重視した市場戦略…214  知名度の低い樹種の重要性…215 半製品の利点…215  ヨーロッパ市場の重要性…216 不運な始まり…216  将来の利益?…218 プレシャスウッド社におけるリスク…219 利益を上げる可能性…220 持続的な林業としてではなく、商業的経営としての成功…220

【第10章 パルプ・プランテーションの社会経済学――ブラジルを例として】
アラクルスセルロース社…223  リオセル社…234 アラクルスセルロース社とリオセル社の比較…240 インドネシアの破壊的プランテーション戦略…243

【第11章 認証への道のり】
銅の採掘から森林経営へ…248  持続可能な森林経営への移行…249 1993年――新たな全社的森林経営戦略…252 ストラ社に対する挑戦…254  ヨーロッパ市場のグリーン化…254 FSC認証への動き…258  認証取得の競争優位性…259 反対者を支持者に変える認証取得…260 持続可能な森林経営の経済リスク…261   認証の競争上のリスク…261 会社所有以外の森林――持続可能な森林経営への鍵…262   不明確さの程度…263

【第12章 木材の城壁】
針葉樹材に基づく経営…265  ウェアハウザー林業の発展…267  ウェアハウザー林業…271  経済的・環境的持続可能性…272 市場競争における立場…275  競争手段としての高収穫林業…275 「木材の城壁」…276  競争優位としての環境…277 財務状況…279  今後の課題…279  経営上の問題点…279

【第13章 経営戦略としての持続可能な森林経営】
環境戦略における持続可能な森林経営の役割…284 持続可能な林業の枠組み――4つの戦略…286 成功と失敗の違い…288  市民権の保護…289 負荷の低減…290  製品品質の向上…291  経営の再定義…292 統合された持続可能性…293 未来の「木材繊維サービス」企業…296

【第14章 得られた教訓】

【コラム】
Box2.1 チャンピオン社:変化する経営環境への適応 31 Box2.2 紙の環境配慮への可能性 48 Box2.3 有利なMDFパートナーシップ 51 Box3.1 B&Q社: 認証製品市場の創出 75 Box3.2 アッシドマン社:信頼のためのFSC認証 78 Box3.3 ホームデポ社:不確かな取り組み 80 Box4.1 伐採技術認定プログラム 95 Box11.1 環境保護圧力への妥協 255 Box11.2 認証製品のたゆまぬ追求 256 Box12.1 環境保護団体からのさまざまな評価 274 英略語一覧  303 用語解説  305 索引  314

【索引】
英略語一覧  303  用語解説  305  索引  314

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