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森林ビジネス革命 環境認証がひらく持続可能な未来

【書評再録】


●林政ニュース(2002年2月13日号)=多年にわたる調査データとインタビューが、民間セクターの取り組みや問題点、戦略などを浮き彫りにしている。
認証や森林管理にとどまらず、関連産業や技術開発の展望、環境側面からみた林業経営、金融税制問題など幅広く拾い上げ、「森林ビジネス」の成立を示唆している。
これからの森林管理、木材産業を考える上で必読の1冊。

● 林業技術(2002年4月NO.721)森林総合研究所 藤原敬氏評=(前略)環境問題をビジネスチャンスととらえて成功を収めた家具メーカーから、米材対日輸出最大手のウェアハウザー社まで21社のケーススタディが本書のベースとなっている。森林認証制度を巡るビジネス界の取り組みはいくつかのニッチ市場開拓で大きな成功を収めている。これがさらに市場の主流を動かすものになるかどうか。本書のケーススタディの取り組みも、多くは道半ばのものである。また、必ずしも成功の必勝マニュアルを提示しているものではない。しかし、業界の内情を熟知した筆者たちの詳細な記述と、序章から終章まで堅持された「持続可能な林業の枠組みー4つの戦略」という分析枠組みによって、本書は、それぞれの立場の読者に対して将来の展望を示すことに成功している。
わが国の読者にとっては、本書は環境消費圧力の拡大というトレンドを踏まえて先進事例を学ぶ重要な教材である。また、他方では、細かく椪済みされた丸田市場、端材を利用した製品開発など、わが国の業界が早くから作り上げてきた、きめ細かな国産材利用の仕組みが、環境ビジネスモデルとして欧米で評価されていると見られる、大変興味深い記述もある。
自社のビジネスモデルの将来像を検討している木材産業関係者、森林認証制度など政策の「経済的手段」を模索する森林林業行政関係者、持続可能な森林経営のビジョンに取り組む研究者諸氏には、ぜひ手にとってみられることをお勧めする。

●森林科学(2002年6月)森林総合研究所 駒木貴影氏評=(前略)本書は、膨大な調査を基に、エコロジーとエコノミーを統合させた森林ビジネスこそ森林経営者や林産企業が目指すべき方向であると主張している。こうしたグローバルな潮流を、厳しい林業・林産業経営に直面しているわが国といえども、無視すべきではないであろう。
その意味で、環境保護と経済活動の関わりに関心を持つ多くの方々に呼んでいただきたい一冊であり、また様々な議論の素材となりうる本といえるだろう。

● 農林水産図書資料月報(2002年7月号)京都精華大学非常勤講師 山縣光晶氏評=(前略)かなりな分量で読み応えがあるが、しかし、全体としてはドキュメンタリー的でわかりやすく、興味深い内容となっている。その上で最後に環境問題の受容という避けて通れない市場の変化に対応して生き残りうる企業の要件を論じ、その経営戦略を展望している。
(中略)本書は、わが国の林業・木材産業が抱える厳しい諸問題に、ビジネスとして実践的な処方箋を書く上での参考になる話が豊富にあり、関係者必読の書といえよう。
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