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エコシステムマネジメント

著者……柿澤宏昭 →→著者略歴と主要著訳書
2800円 A5判 206頁 2000年7月発行

経済・社会開発と生態系保全を両立させる新手法を日本で初めて本格的に紹介。
アメリカでの行政・企業・市民・専門家の協働による実践事例をもとに、そのプラス面・マイナス面を冷静に評価・分析する。

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【主要目次】
【第1章 エコシステムマネジメントとは何か】
  1. 本書がめざすもの
    (日本における新たな自然資源管理の胎動/諸外国における新たな自然資源管理への取り組み/本書の目的/本書の内容)

  2. エコシステムマネジメントとは何か
    (エコシステムマネジメント登場以前の自然資源管理/なぜエコシステムマネジメントが登場したのか/エコシステムマネジメントとは何か/実行に移されつつあるエコシステムマネジメント)

【第2章 アメリカ合衆国国有林の展開と構造】
  1. 国有林の展開
    (連邦有地の概要/国有林展開の特徴)

  2. 国有林管理のしくみ
    (国有林管理組織/国有林の計画体系/国有林の財政)

【第3章 国有林改革の現状と展望---エコシステムマネジメントへの転換をめざして】
  1. 国有林改革の現状
    (エコシステムマネジメントへの転換/エコシステムマネジメントの実行にむけて)

  2. なぜ改革が可能となったのか
    (外部からの圧力/自己改革の動き)

  3. 改革の展望
    (議会/市民運動/森林局・国有林をめぐる制度的枠組/森林局内部)

  4. 改革の成否はどこにあるのか
【第4章 エコシステムマネジメントの壮大な実験---北西部森林計画】
  1. 北西部森林計画策定の経過
  2. 北西部森林計画で何が達成されたのか
    (連邦有地管理方針の大きな転換/省庁間協力関係の飛躍的改善/組織改革の促進/本格的な地域政策の開始/新しい資源管理の手法を実行するための装置)

  3. 北西部森林計画の問題点
    (計画策定過程に関わる問題点/制度に関わる問題点/地域政策に関する問題/実行の装置に関する問題/計画をめぐる社会的・政治的環境の問題)

【第5章 新しい市民参加を求めて---エコシステムマネジメントのもとでの新たな挑戦】
  1. アメリカ合衆国国有林における市民参加の問題点
    (計画制度とその背景に関する問題/市民参加の過程や手法に関わる問題/職員の態度の問題)

  2. エコシステムマネジメントと市民参加
    (生態系のまとまりを扱う問題/市民参加をより実質化させる問題/柔軟な管理体制への対応)

  3. 市民参加の新しい展開
    (組織内部での改革への努力/国有林の枠を超えた共同関係の構築へ)

  4. 市民参加の新しい姿を求めて
【第6章 州政府による自然資源管理のしくみ---森林を中心として】
  1. 州自然資源管理の歴史と概況
    (州森林政策の展開/森林政策の現状/森林政策を行う州政府行政組織)

  2. ワシントン州における自然資源管理
    (ワシントン州自然資源局/ワシントン州魚類野生生物局/ワシントン州州立公園・レクリエーション委員会/ワシントン州における自然資源管理制度のまとめ)

【第7章 協定に基づく森林環境保全---環境ADRの可能性と限界】
  1. 森林施業規制と環境ADR
    (森林施業規制の必要性とそのあり方/環境ADRの概念と本章の課題)

  2. TFW協定の成立
    (ワシントン州におけるサケ資源をめぐる状況/TFW協定の源流としての2つの紛争/TFW協定の成立/TFW成立の条件)

  3. 森林施業規制の内容としくみ
    (森林施業規則の内容/規制を行うしくみ)

  4. 継続的過程としてのTFW
    (TFWはどのように森林施業規制の三つの課題にアプローチしたのか/継続的な合意形成過程を成立させた条件について)

  5. TFWにおける環境ADRの限界
    (弱者の参加の限定/地域資源管理視点の欠如/市民参加の不在)

  6. 流域管理にむけて
【第8章 エコシステムマネジメントの収斂としての流域管理】
  1. 注目を集める流域管理
  2. なぜ流域管理なのか
  3. 連邦政府における流域管理への取り組み
    (環境保護庁の流域保全アプローチ/森林局の流域保全アプローチ)

  4. ワシントン州における流域管理にむけた取り組み
    (事業による流域保全---「環境のための雇用創出」事業/誘導による流域保全---保全地区による環境保全型農業経営への転換支援/流域保全にむけた枠組みづくり)

  5. 流域保全にむけた住民運動の展開
    (全国レベルの運動/ワシントン州における流域保全運動の組織化)

  6. 流域保全活動の事例---ニスクオーリー川協議会
  7. 流域保全活動の基礎条件と展望
【第9章 日本の自然資源管理のパラダイム転換にむけて】
  1. パラダイム転換を行うための基礎条件
    (市民参加/職員の多様性・専門性/科学性の確保/資源管理の主体としての市民の成長)

  2. パラダイム転換---何に、どう備えなければならないのか
  3. パラドックスを超えて
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