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地質スケッチ集の表紙画像
地質スケッチ集

著者……羽田忍 →→著者略歴と主要著書
5437円 188ミリ×257ミリ判 274頁 1996年5月発行

写真に撮れない暗い所や木の陰でも、障害物を避けて描くことができる「地質スケッチ」の重要性が、イギリスの地質調査の教科書には書かれている。
本書では、著者が描きためた50冊以上のスケッチブックの中から、ダムサイトや活断層、中央構造線、火山など、地質スケッチの重要なテーマにしぼり全10章にまとめた。

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【主要目次】
1.ダムサイト関係スケッチ(111図)
調査開始当時の川の景色が多い。また工事が始まると刻々とダムが出来上がっていく様子がわかるものもある。工事をすると、道路の斜面がよく崩れる。地すべりを起こすこともある。このようなときに出かけてスケッチしたものもある。巻末には、水系別ダムサイト一覧を付した。
2.活断層関係スケッチ(8図)
地質学上の活断層は、過去約200万年以降に繰り返し活動した断層で、今後も動きうる可能性のある断層と定義されている。ダム工事の検討事項には、活断層調査があるが、ダムでは「第四紀断層」といって、地質学のいう活断層より、活動時期を過去1万年程度あるいは過去3.5万年以降数回の活動があったものと狭く考えている。
3.中央構造線関係スケッチ(4図)
西南日本の地質構造を内帯と外帯とに分ける中央構造線は、四国の徳島県から愛媛県の間によく観察される。代表的な断層露頭の観察結果をスケッチで示す。
4.地質の諸現象関係スケッチ(66図)
地質現象はさまざまである。整合、不整合、基底礫岩、断層、岩脈、火山噴出物、海底火山の枕状溶岩など特徴のある地質現象は多い。興味ある地質現象は、スケッチして残したいものである。
5.千葉県東方沖地震災害スケッチ(6図)
1987年12月17日千葉県の太平洋岸をおそったM6.7の地震。地震後災害箇所の巡検が日本地質学会関東支部の主催で行われた。そのときの観察記録である。
6.海外視察スケッチ1(7図)
オーストリアの道路建設現場、ダムサイトなど、そしてロンドン、パリ。
7.海外視察スケッチ2(9図)
フランス、イタリアのダム視察。フランスのマルパッセダムの決壊跡、イタリアのバイオントダムの決壊の光景が印象深い。日本応用地質学会の視察旅行のときのスケッチである。
8.八丈島スケッチ(3図)
伊豆七島の一つ、青ヶ島には八丈島から船で渡る。波が大きいと船は出ない。船待ちの間は、島巡りをするしかない。
9.城ヶ島およびその周辺の地質スケッチ(12図)
主として地質巡検のスケッチ。城ヶ島およびその周辺、三浦半島は、東京近郊では地質観察のよいフィールドである。さまざまな地質現象が観察される。地層の重なり、層間異常、蛇紋岩の貫入、活断層など。
10.火山関係スケッチ(4図)
桜島、御岳火山の崩壊、黒井峯遺跡。
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