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意釈 黄帝内経霊枢

【内容紹介】本書「まえがき」より


 この書物は、現存する中国医学書の中で最古のものといわれる「黄帝内経」の中の「霊枢」を、諸家の著書を参考にしながら、自らの見解に従って意釈したもので、前著の「意釈黄帝内経素問」とあわせて、「黄帝内経」として、対をなすものであります。
 「霊枢」は「素問」と同じく、著者も成立年代も不明ですが、その成立についてはいろいろの説があり、漢・隋・唐志には記載がなく、宋時代に家蔵本から発見されたとあります。しかし、その原型は遠く春秋・戦国時代にあったかもわかりません。
 「素問」が、人間一般の生理・衛生などにもふれて、医学の原理をとりあつかう面が多いのに対して、「霊枢」は、鍼灸の実際的な応用面にふれることが多く、黄帝とその臣の岐伯・伯高・雷公・少兪・少師らとの問答の形式で書かれたこの両書が表裏となって「黄帝内径」をなしています。
 意釈にあたっては、術語は本文中で、始めから終わりまでの間の適当なところで必ず解釈するように心がけましたから、途中をとばさずに読めば、初めての読者にも大体は理解していただけると思います。経絡の輸穴の名称と、この解釈をしてある術語を中心にして、索引を作ってあります。また、輸穴の名称は、附図でその部位が簡単にわかるようにしてあります。
 本書で興味を覚えられた読者は、このシリーズの「意釈黄帝内経素問」・「意釈黄帝内経運気」・「意釈八十一難経」を併読されると、漢方医学の本来の姿に対するもっとはっきりした概念が得られると思います。
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