トップページへ | |||
![]() | 動物と人間の歴史 著者……江口保暢 古今東西、動物にまつわる
伝承、風習、信仰、食文化、伝記、怪談……
動物なくして歴史なし
身近な動物たちがより親しく感じられる。
| ||
|
【主要目次】 | |
はじめに−−動物たちの隠れた歴史を知る………… i→ 「はじめに」を読む | |
はじめに | |
いつも見慣れている動物たちなのに、私たちはその動物たちの昔のことをよく知りません。 * 本書は、私たちの身近にいる動物たちが、私たちのもとにやって来た遠い道のりを、読み物としてまとめたものです。これらの動物たちは、歴史の始めから、人に慣れ親しんできたわけではなく、長い長い年月をかけて、人との付き合いが深まってきたのです。太古の昔から人との付き合いのあった動物もいれば、最近(といっても一〇〇〇年単位ですが)、人との付き合いが深まった動物もいます。これらの動物はどこからやって来たのでしょうか? * 動物と人の歴史は専門書などでは詳しく述べられていますが、専門的すぎて一般的ではありません。これを平易に書いた本はたいへん少ないのです。現在、学問としてではなく、動物好きの読者が、動物たちの一通りの歴史を知る機会が少なく、それらの歴史が隠れて見えにくくなっているのでは、と考え本書を書きました。本書はまた「動物たちの隠れた歴史」でもあるのです。 * 人類の歴史は、近代までは動物たちを利用し、発展してきました。本書では、広く世界史の観点から、中央アジア、エジプト、ヨーロッパ、アメリカ、インド、東南アジア、中国、そしてとくに日本での動物たちの歴史をとらえてみました。 * どの章から読み始めても構いません。最初から読まなければわからない、というような本ではありません。いつでも、どのページを開いてみても、それなりの話題を鑑賞することができるでしょう。動物たちの歴史を語るなかで、その動物に関係する歴史的事件あるいはちょっとしたエピソードを「こぼれ話」という形で収録しました。「こぼれ話」は、動物たちの歴史をいろどる大事な要因となっています。また本文中のイラストは、巻末に挙げた文献などを参考に、著者自身で描いたペン画です。壁画などは、このようなペン画が細部まで一番理解しやすいので、ぜひご鑑賞ください。 * 本書では、身近な動物として、狼、犬、山羊、羊、牛、馬、豚、鶏、蛇、ネズミ、猫の十一種類を選びました。このように動物たちを一冊にまとめた読み物は珍しいでしょう。本書に取り上げた動物たちのほかにも、まだたくさんの身近な動物たちがいます。それらの歴史については、また、みなさまに読んでいただける機会があることを祈っています。 江 口 保 暢 |