書誌情報・目次のページへ 読者の声のページへ
動物文學

【書評再録】


●毎日新聞評(1994年8月29日)=わが国のナチュラルヒストリー分野の草分けとされる平岩米吉氏によって創刊された雑誌『動物文學』の創刊号から第百号までの復刻。
同雑誌は、シートンの「動物記」を日本で初めて紹介したことで知られ、執筆陣は柳田国男をはじめとする民俗学者のほか、北原白秋、室生犀星など文学者から社会科学者まで豪華な顔ぶれ。内容的には、動物行動学を中心にした自然科学と博物学、文学など幅広い分野をカバーしている。日本現代史の知られざる側面を浮き彫りにしたと指摘する声も。

●読書人評=わが国のナチュラリストの分野の草分け的存在。動物行動学を中心にした自然科学と博物学、文学など、幅広い分野をカバーした『動物文學』の昭和9年の創刊号から昭和22年の第百号までを、本文のみならず、巻末の広告にいたるまで再生。補巻として昭和17年1月から昭和20年2月まで発行された「動物文學月報」28冊が合本として付けられている。戦前・戦中・戦後の昭和激動期の埋もれた第一級資料となっている。

●AERA評(1994年8月29日号)=子どもたちに根強い人気をもつ「シートン動物記」や「バンビ」を日本に初めて紹介した雑誌「動物文学」の復刻版。
犬の研究で知られる動物学者、故平岩米吉さんが創刊。動物を自然科学と文学の両面からとらえるのが目的で、南方熊楠、柳田国男、小川未明、室生犀星、北原白秋、長谷川如是閑らが寄稿した。

●出版ニュース評(1994年8月下旬号)=動物行動学を中心にした自然科学と博物学、文学など、幅広い分野をカバーした当時としてはユニークな雑誌であった。
「子鹿物語」のザルテン、「動物記」のシートンを初めて翻訳紹介しただけでなく、ヴァージニア・ウルフ、トーマス・マン、ツルゲーネフ、チャペックなどの作品を精力的に紹介した。また特集記事も今日から見ても興味深いものが少なくない。

●図書新聞評(1994年9月3日)=主として文学との結びつき、伝承の発掘や優れた海外文学の紹介につとめた。動物文学会には柳田国男、黒田長禮、古賀忠道、中西悟堂、南方熊楠らが名をつらね、本誌上に興味深い論考を寄せている。文学者では小川未明、室生犀星、北原白秋、長谷川如是閑らの寄稿もある。
トップページへ