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犬の行動と心理

【書評再録】


●読売新聞「中川志郎のおすすめ」欄(1997年2月22日)=イヌはあらゆる家畜の中で最も古い歴史をもち、人間の暮らしに最も密着した動物として現在にいたっている。最近、家畜やペットと異なったコンパニオンアニマルという新しい呼び名が用いられるのも、イヌという動物がますます人間に身近になったことのひとつの証であろう。
それだけに、関連書は世界的に多く、飼い方などのハウツーものから生理、生態、民俗にいたるまであらゆるジャンルに及んでいる。
我が国でも同様で、種々の切り口でたくさんの本が出ているが、イヌという動物をトータルに知るという意味では、イヌ科動物研究家として著名な平岩米吉氏の一連の著作がその代表といってよいであろう。平岩氏は民間の研究家ながら独力で1937年に「犬科動物研究所」を創設、主宰し、自宅敷地内にイヌはもちろん、キツネ、タヌキからオオカミ、ジャッカル、ハイエナなど多くの野生動物をも飼育し、比較研究を通してイヌの本質に迫ろうとした稀有の在野の研究家だ。
その代表的な著書がここにあげた「犬の行動と心理」で、行動、生理、生態から民俗まで幅広く扱い、特に本書の三分の一を占める社会生活の章では夫婦・親子関係、順位、縄張りなどイヌの社会成立の要因を克明に述べ、この動物の全体像を鮮明に描き出すことに成功している。(東京動物園協会理事長)

●東京新聞評(1991年12月26日)=40余年間に60余頭の愛犬を飼育し、その生命の観察記録から、犬の社会、犬の心理などを解明した書。飼育の基礎知識も提供。

●ダ・カーポ評(1992年1月15日号)=40年あまりの間に、著者は約60頭の犬を飼ったという。その間に観察した事実と、多くの文献を照合して、犬の真実をさまざまに明かす。
犬へのただならぬ愛情が詰まっている。

●咲いた評(1997年9月号)=独学で動物学を学んだ著者の、犬の研究本。
「著者の犬に対する、あふれかえるような愛情が伝わってきて、読んでいて幸せな気持ちになります。まさに目が洗われる一冊です。数ある犬の本のなかでは、これがベストでしょう」
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