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爆破 モンキーレンチギャング

【書評再録】


●朝日新聞評(2001年7月1日)評者・山崎浩一氏=1999年、シアトルでのWTO(世界貿易機関)閣僚会議は、反グローバル資本主義を唱えるNGOなどの大規模なデモによって流会に追い込まれるハメになった。この時、デモ参加者たちの間で行動マニュアルとして広く読まれていた、といわれるのが本書である。ミスマッチな四人組が、怪しげな議論や差別的な罵り合いを繰り返しながらも、奇妙な同志愛で結ばれ、冒険的なゲリラ活動にのめり込んでいく痛快ドタバタ・コメディー---それこそが本書の実態だ。しかも実在の事件だというから驚き。この無類の面白さをこそ支持したい。

●ダカーポ評(2001年8月15日号)=とんでもなく物騒で痛快な小説。
のっけから完成したばかりの橋が吹きとぶというハリウッド映画並みの派手な展開。
陳腐なコマーシャリズムを嗤う描写も、ジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』に先んじた感覚。単なる凶悪なテロリストが破壊をもくろむのと違い、人を傷つけないという大前提はもちろん、犯人側に確かな行動哲学も見出せるので、ヒロイズムも際立ってくる。
もっと早く(著者が生きている間に)邦訳して欲しかったと言うのは、正直なところではある。

●日経エンタテインメント(2001年9月号)=「これであなたもミステリーの達人 夏休みに読みたいミステリー100選」
ハリウッド大作よりハラハラドキドキ120%保証作
「手に汗にぎるサスペンス&冒険ミステリー10選」に選ばれました。

●通訳翻訳ジャーナル評(2001年9月号)=実在の事件をもとに、アメリカきってのネイチャー・ライターが描くドタバタ冒険小説。本書によってさまざまな環境保護団体が生まれたそうだが、読んだ限りでは「環境保護」を押しつけられている感じは皆無。ジャンルとしてもとても新鮮、個性が強くあくまでも善人なゲリラたちは決して憎めない。

●ふぇみん評(2001年7月5日)=ベトナム戦争でグリーンベレーとして闘った帰還兵、モルモン教徒の川下りのガイドなど個性的な登場人物による冒険活劇小説。
カーチェイスや銃撃戦などの小説としてのハラハラドキドキも面白いが、その底を流れるメッセージはピタリ「今」に通ずる。
99年末、シアトルで開催されたWTO閣僚会議は世界中から集まったデモ隊により、決裂に追い込まれたことは記憶に新しい。その参加者の行動マニュアルとして、この小説があったという。

●賃貸住宅ニュース評(2001年10月3週号)=1975年全米で発表。たちまち大ベストセラーとなった超絶の冒険小説が、今年ついに日本初上陸! ディテールも含め、大作映画級だ。
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