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孫文 百年先を見た男

【書評再録】


●神奈川新聞評(2000年5月1日)=孫文の説いた大アジア主義、三民主義などにこめられた思想を、自由な立場から分析。中国が現在進める改革開放路線の先取りとも言えるアイデアや、三峡ダム構想などを紹介し、「百年先を見た男」としての孫文を描き出す。

●出版ニュース評(2000年4月下旬号)=孫文は三民主義の実現を唱え、中国現代史における「革命の先駆者」として評価が定まったが、中国5000年の歴史のなかで、前王朝の支配者がこれほど敬意をもって処遇された例はほかにないという。本書は、孫文の生涯を追いながら、その思想が後世に与えた影響を考察したものだ。
知られざる私生活や日本との深い関わり(南方熊楠との交友など)も含め、孫文とその時代が鮮やかに描かれている。

●東方評(2000年3月3日)=鮮やかな切り口の孫文評伝である。
孫文の思想、行動、私生活を当今の世界に引き寄せて談ずるかと思えば、遠い記憶の森の奥に探ろうともする自在な描写手法に酔って一気呵成に読んだ。

●日中文化交流評(2000年4月1日号)=本書は、中国辛亥革命の指導者として知られる孫文に深い敬愛の念を抱く著者が、孫文の現代的意義という視点から、その思想と行動に光を当てた新たな孫文論というべき一書である。
著者は、孫文の革命への情熱、国際性、庶民性などに触れながら、特にその先見性に注目する。1924年、神戸での演説で、日本に対し「西洋の覇道の番犬になるのか、東洋の王道の干城となるのか」と警告したが、この問いかけは今なお新しいと指摘する。
興味尽きぬ一書である。

●日刊ゲンダイ評(2000年2月25日)=中国の国父と仰がれる孫文の生涯とその思想を紹介するノンフィクション。学者・南方熊楠や革命を支援した宮崎滔天との交流など、日本とも深くかかわる孫文の人生を振り返りながら、自己中心的な覇道を捨て、王道の文化を求めよと唱えた「大アジア主義」など先見性に満ちた氏の思想の今日的な意味を読み解く。
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