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恐竜の足あと

【書評再録】


●読売新聞「婦人欄」(1990年7月30日)=恐竜展はどこもたいてい満員になる。巨大な骨格からはるか昔の世界がうかがえるからかもしれない。しかし、「恐竜の足あと」では、地球上生物の何十億年の歴史を考えるとき、足跡、這い跡や住み跡など、生活跡化石からの情報がいかに大切かを語っている。内容は深いが、子どもにもよくわかるように一つずつ積み上げてあり、読みやすい。今まで恐竜に興味がなかった人にもぜひ薦めたい。視野がぐっと広がる。巻末には関連の本50冊ほどの紹介もあって役に立つ。中学生から大人まで。

●YES評(1990年8月号)=本書は、恐竜の存在を示す間接証拠ともいうべき、足あと、這いあと、住みあと……などの生活痕に目をつけ、それを子ども向けに解説した本である。
本書の発行元は、古生物関係の出版を30年近くにもわたって地道に続けてきた出版社なので、その内容にも信頼がおける。特に、巻末に付いた書籍目録は読み手のレベル別にていねいに整理されているので、ビギナーが恐竜の勉強を始める際の羅針盤の役目を果たしてくれることだろう。

●地団研そくほう=文章はわかりやすく、図や写真も豊富なので広い範囲の人におすすめできると思う。

●赤旗評(1990年8月13日)=しばしば話題をよぶ動物の足あとの化石が、地球と生物の歴史を解くうえでどういう意味をもつのか。ジュニア向けに書かれた本ですが、大人の興味もそそります。世界の恐竜の足あとは地質や古生物の歴史を語り、それをめぐる研究者の苦労もあります。ある研究者は前足のあとだけが続く化石から、恐竜の水中歩行のようすを解きました。足の動きから骨格がわかり、生活様式も推定できる科学のおもしろさがわかります。

●赤旗「子どもの科学よみもの」(1991年7月21日)=足あとの化石からどれだけのことがわかるかという、古生物学の方法・謎解きのおもしろさを十分に味わわせてくれる科学読み物です。
ドロボウの足あと、洞くつに残るクロマニヨン人の手形、テキサスの恐竜の足あと、貝や昆虫のはいあとやフンの化石という巧みな語り口で、モロッコ、アメリカ、中国、韓国から日本の恐竜まで、研究で明らかになった経過、事実が、たくさんのエピソードをまじえて興味深く述べられています。
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