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「親」を楽しむ小さな魔法

【内容紹介】●本書「はじめに」より


 親ならだれしも「ムチを惜しむと、子どもをだめにする」という教訓を聞いたことがあると思います。と同時に、子どもを叩くことは、一種の虐待であると言われるのを耳にしたこともあるはずです。私は親たちからよく「子どもに手をあげず、かといって甘やかしもせずに育てることはできるのでしょうか?」と聞かれます。幸いなことに、答えは「できますよ!」です。子どもに手をあげず、しかも甘やかさずに育てることはできるのです。
 きちんとしたルールを決められていない子どもはわがままになりがちですが、叩くことは、ルールを実行するための1つのやり方にすぎません。ほかにいくつも、違う方法があります。
 子どものなかには、わりあいに育てやすい子もいます。子どもが生まれつき素直な性格で、しかも親が、うまい子育てのスキルをもっている場合です。そうでない場合は、子どもが手がかかるか、または親の子育ての方法がその子にうまくあわないか、どちらかです。そういうときには、親は保育者や教師と協力して子どもに接する必要があります。
 この本では、子どもを叩く代わりにできることと、よく見られる問題行動を解決するためのヒントをあげ、さらに、問題を解決するための5つのステップを紹介しています。こうした方法は、子どもを育てるときの一般的な理解を深めるためにも使えますし、個々の問題を解決するためにも使えます。
 多くの親は、ひとり目の子どもにうまくいった方法が、つぎの子には通用しなかったとか、子どもが小さいときに効果のあった方法が、子どもが大きくなるにつれ、使えなくなったとかいう経験をしているでしょう。うまくいっていたものが効果を失うと、親はイライラして、そのやり方に問題があるのではないか、または子どもに問題があるのではないかと思ってしまいます。そのようなときには、問題解決表にもどり、ほかの可能性を探してください。親がいくつもの方法を知っていると、自分たちの要求にも、成長している子どもたちの要求にも合うような取り組み方を見つけやすくなります。
 家族は、それぞれみな違います。そして、人もまたそれぞれ自分に合ったペースで成長していきます。みなさんの家族は、向かいの家族とは異なる要求をもっているかもしれませんし、異なる問題に直面するかもしれません。みなさんの子どもは、知り合いのどの子とも、異なる反応の仕方をすることもあるでしょう。親が思うより、またはほかのどの子より、神経が細い、扱いが難しい、頑固だということもあるかもしれません。
 みなさんの置かれている状況がどうであれ、方法はたくさんあります。この本を使って、みなさん独自の、効果的で愛情にあふれた子育てのスタイルを作っていってください。
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