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日曜の地学6 北陸の自然をたずねて

【内容紹介】●本書「まえがき」より


 本書の前身である「北陸の地質をめぐって」は1979年に出版されました。その後、恐竜の足跡や歯・骨の化石、オフィオライト、付加体のナップ構造など、北陸の地質についての新しい発見や学説が相次いで発表され、観察地点の状況や交通事情もかなり変わってきました。また、1995年には石川県根上町で駐車中の車に隕石が落下するという、世界でも珍しい事件が発生し、宇宙から落ちてくる岩石にも関心が集まりました。恐竜化石や隕石のように、日常生活とはかけ離れた、はるかな時空を超えた世界から伝えられる情報は、新聞・テレビでもよく報道され、一般の人々の知的好奇心を満足させるとともに、子供たちの夢を育み続けてきました。
 一方、1995年の阪神淡路大震災をきっかけとして始まった各県の活断層調査は、富山の呉羽山断層、金沢の森本断層、そして福井平野の活断層などの詳しい位置と活動歴を明らかにしました。また1997年には、タンカー「ナホトカ」の日本海沈没事故で、北陸の海岸一帯が重油に汚染され、全国各地から集まったボランティアによって除去作業が行われました。このように、防災や環境の面からも、北陸の自然への関心が高まっています。
 しかし、「百聞は一見にしかず」、地域の地質や環境のことを本当に知るためには、自分で現場に行き、そこで様々な現象を観察し、自分で考えることが是非とも必要です。この本は、北陸地域の小・中・高等学校や大学の教員と博物館の職員が力を合わせ、21世紀初頭の時点で、改めて北陸の自然を見直すために執筆した、ポケット版の案内書です。皆さんの野外観察の伴侶として、この本をお役立て下されば幸いです。
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