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環境ドラッグ あなたの子どもはなぜキレる

【内容紹介】●本書「あとがき」より


 ひとごとではない。
 これは、私がこの本を書いた本音そして動機でもあります。
 長女は、いま13才。産まれてすぐ引っ越したアパートは新築だった。むろん壁などは総塩ビ貼り。ホルムアルデヒドなど微量化学物質は室内にたちこめていたはず。ベランダで産まれたての長女を抱いているとき不可解な衝動が頭を一瞬よぎった。闇に一閃。発作的に赤ん坊を投げ棄ててしまう! その不安に思わず目をつぶって子どもを強く抱き締めた。あの脳に走ったものは何だったのか? 世間でよく魔がさすという。万引きをする。人を刺す。その瞬きのような衝動・錯乱。環境ドラッグの取材を通じて私の脳内を走った“魔”の正体が見えてきた。
 アパートの後に引っ越したのも新築の鉄筋コンクリートの公団住宅。東京都内のマンモス団地光が丘に移っても同じ。その後二女一男が生まれ四人の子どもで狭い我が家は賑やかだ。子どもたちは本当に気だてがよく、素直で、やさしい。なのにときどき急に怒ったり泣き出したりする。情緒不安定……。その原因も見えてきた。まさに、環境ドラッグの問題は、ひとごとではないのである。
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