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大地のおいたち 神戸・大阪・奈良・和歌山の自然と人類 【内容紹介】●本書の特色 | |||
1.悠久の大地の歴史がこの一冊で=地学フィールド調査の最前線の成果を、エピソードをまじえた楽しいストーリーで語る。 2.新しい考古学の試み=文化財などの発掘調査で見られる地層から、過去の自然環境とヒトの生活を復元する。 3.地震防災に役立つ=阪神・淡路大震災が活断層だけでなく、表層部の地質と地形や社会との関わりにもある例を示す。 4.何といっても「関西」が日本列島や、地球的な広がりと歴史の視点で解説されている。 5.つまり、ちっともむずかしくないが、いろいろとむずかしいことがわかる。 | |||
【内容紹介】●本書「はじめに」より | |||
大地は時間と空間のおりなす四次元の世界です。この世界を研究する分野のひとつに地質学があります。これからお話するのは、各地の地質学の研究を通してわかってきた大地のおいたちです。数億年前から現在までの自然の変遷が目に浮かぶように、また、市民とともにおこなった調査、研究の様子なども紹介しました。地質学の目から見た、自然の豊かさ、不思議で謎の多い自然の姿を感じとっていただきたいと思います。
大地をつくる岩石、地層や化石は、冷たいとか古くさいというイメージをもたれたり、直接に見えない地面の下ということもあるのでしょうか、あまり関心をもたれないことがあります。しかし、私たちの生活する大地がいつ、どのようにしてつくられてきたのか教えてくれるのはこれらの岩石、地層です。目をこらせば、地層から縄文人の息づかいを感じ、足跡化石にゾウの親子の会話を聞き、キラリと光る鉱物に地下の姿を見ることができます。 私たちの生活は大地に支えられています。私たちが住む都市もアスファルトを剥がせば人間がやってくる前の大地が生きています。大地震で大地がひとたび動いたとき、ビルも高速道路もひとたまりもなく崩れ落ちた光景を忘れることはできません。そんな力を秘めた大地に対して、人間は力まかせに山を削り、海を埋め立てています。大地の個性やおいたちをよく理解して、もうすこしやさしく、仲良くつきあっていきたいものです。自然と調和のとれた社会をつくるためにも、自然の姿とその歴史を理解することが大切です。 本書は古い時代から新しい時代へと章をすすめています。それぞれの章ごとに年代表を載せています。私たちの生活、産業、災害などとのかかわりにも触れています。とくに、7章では後期旧石器時代以降の人びとの生活と自然環境の変遷を地層から、8章は阪神・淡路大震災を地盤をつくる地層・岩石の性質の目で述べています。 この本が、長い歴史を秘め、私たちの生活を支えている大地の世界への関心を深める機会になれば幸いです。 | |||
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