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米で起業する!
ベンチャー流・価値創造農業へ

長田竜太[著]杉山経昌[序]

1600円+税 四六判 216頁 2008年4月発行 ISBN978-4-8067-1363-0

序文として、杉山経昌氏の『コメは儲からない!?-「最適化農業」を目指して』を収録!!

石川県小松市に稲作農家の次男として生まれた男が、有機質肥料100%のコメ作り、補助金に依存しない農業、完全無借金経営を経て、いかにしてベンチャー企業を立ち上げるに至ったのか。その戦略と発想とは?

「コメは儲からない」「農業は駄目になっていく一方」なんて大間違い。
コスト削減、付加価値増大、スピード重視の経営、エコ・マーケティングの戦略で、宝の山を掘り起せ!

「ただ作るだけ」の農業では生き残れない時代に、「幸せ」「命」「環境」をキーワードに、秘められた農業の巨大な可能性を存分に説き明かす。

【主要目次】

  序文   コメは儲からない!?――杉山経昌
  はじめに 農業とコメは、可能性がビッグな産業!

1章 変歴専業農家誕生!

  1「専業農家」への道
    おいら農家の末っ子次男坊
    イグサの怨念
    続・イグサの怨念
    進路の選択枠がない!
    農業者のための国立大学へ進学
    酒盛りばかりの大学生活
    この腹痛はなんなんだ!
    切腹開眼物語
    シャバのことはシャバですむ!
    もう一つの限界体験
    即就農して「俺ってホントに社会人?」

  2専業農家の修行時代
    農家の給料3万円!?
    農業ってなんなんだ!?
    こづかいの前借りでNEC9801を購入
    真っ赤な日商簿記3級テキスト登場
    日商簿記3級試験にチャレンジ
    女子高生が経営者?

  3ふつうの農家からはみ出せ!
    私はこれでイグサをやめました
    経営の方程式を叩き込め!
    ハイ! 日本橋三越でございます。
    出る杭は思いっきり打たれる
    「お客様をつかむぞ」大作戦が大失敗に終わる
    商品の4つの側面
    セブンイレブンの考え抜かれた「サービス」
    贈答用のためのサービスを提供する
    褒めないコンサルが本物
    売り上げ100倍の法則

  4産業廃棄物を宝に変える
    糠の山は、宝の山?
    コメ糠の「ギャバ成分」にすっかり魅了される
    農家のあんちゃんが国と特許実施契約!
    コメ糠ギャバの商品化へ
    崖っぷちで救われる
    予期せぬ出来事
    売って売って赤字!?
    クレームで大問題が

  5ベンチャー企業の方法論
    ベンチャーの強みを活かす4次元プランニング経営法
    カネには困らなくなったけれど


2章 幸福は、行動の積み重ねだけが保障する
    「作業」と「仕事」の違いを考えたことありますか?

  1仕事を楽しく、効率的に!
    中学生の職場体験
    2つの呼び名
    2つのコスト
    どうでもいいところにお金をかけない
    意識の国際競争力

  2自分で選び、自分で稼ぐ楽しい農業
    選択できるという自由を十分に活かそう!
    地獄への道は善意で敷き詰められている
    敵は本能寺にあり
    農業護送船団は浮沈船?
    呪縛からの解放
    頑張れないと頑張らない
    足を引っ張るより手を引っ張る平等感を

  3パラダイム・シフトを見据えて
    諸悪の根源はダメだという考え
    無茶苦茶は承知で書いてますが……
    産業の特性はあなたの発想と行動で決まる


3章 第一次産業が最先端産業になるv     モノから命へ

  1農業の無限の可能性
    「コメ作り」から「コメ創り」へ
    プリウスが逆立ちしてもできないこと
    エコマーケティングという発想
    潜在能力を開花させる田んぼ
    田んぼから全国衛星生中継!
    アースにアース

  2「幸せ」を提案する産業
    「農業者」はたくましいメーカーであれ!
    マックvsコメ
    コンビニのおにぎりからわかること
    携帯電話より大きな幸せを
    トレサビリティーとはコミュニケーションである
    「考えてから行動する」を逆さまに
    思考を止める合言葉は捨ててしまえ
    「挑戦」か「保護」か? あなたはどっち?
    幸せであるために

あとがき

杉山経昌氏「序文」より一部抜粋

 彼は根っからの百姓で、私のような「にわか百姓」とは違って筋金入りである。そして根っからの百姓でありながら、優れたビジネスセンスとマーケティングセンスを持ち合わせている。このセンスには敬服するほかない。
(中略)
 輝いている奴というのは伝わってくるもので、私は10年以上前から「長田竜太」なる名前を知っていた。だが、直接まみえて、口角泡を飛ばしたのは2006年1月の福岡でのフォーラム会場であった。
 そこで彼に関して記憶に残ったことが2つある。
 1つ目は、彼が金沢でプレゼンテーションの勉強会に参加しており、その勉強会ではそれぞれの参加者が身銭を切ってつづけていること。若い農業経営者たちと「人に話し、伝え、説得する」、21世紀の農業経営者に必須の資質を共有し、その勉強会を通してマーケティングと経営を教えている。
 2つ目は彼が「勝ち組、負け組」という分類が嫌いで、それをいうなら「勝ち組、負け組、待ち組」だというところ。「負け組」の呼称はチャレンジして失敗した人に与えられる勲章であって、再チャレンジして勝つチャンスを留保している人である。しかしおれは「負け組」だと自称する「待ち組」には永久にチャンスは巡ってこない。
 チャレンジして向こう傷だらけの私には、実に心地良い解釈だった。