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![]() | 岡本彰祐アンソロジー 岡本歌子[編]
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| 【目次】 | |
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まえがき 岡本歌子 1.科学は人間を幸福にしたか? 科学者の貞操 人間 大脳生理学から見た日本人 コラム ドーマクの場合 2.教育とは良き誘惑である Medical Whoユs Who 岡本歌子と私 追記----岡本彰祐とたん石症 岡本歌子 コラム 旧きを創る 創への帰結 コラム 二十一世紀と竹庭 すずめの学校------医学と教育 こころはどうして 3.原爆と科学者の良心 世界にうったえる日本原爆医学 ― 原爆の惨禍と科学者の良心 ― 山河ことなれど 国と人と愛と憎しみ 補記------岡本歌子 コラム 十年と十万年 4.アリと人間 南極で冬を越す人 寿老人病院の悪夢 老導犬に何を求める 一〇一匹の老導犬 飛ぶ鳥にねぐらあり コラム 鳥は空を飛ぶ恐竜 アリと人間は違う 日本の奇跡(高年齢化)はなぜ起きたか 生活大国への軌道修正 コラム 外国語コンプレックス 5.眠れぬ世のために 頭を良くするには マイナスの働き 静かに・静かに おや何だろう反射 クドリャフカの謎 夢ではないのに 転勤病? 眠れぬ夜のために サッパリ人間・クヨクヨ人間 ドキリとさせない言葉 大脳から見た幸福とは 考える《反射》 耳・目・鼻・舌の神秘 谷川名人と大脳の強さ 若さと美しさを保つために 6.若い研究者へのメッセージ 未来につづく歴史のために-----抗プラスミン療法の歩み 血栓止血学へのメッセージ ジャパン・オリジナル・ドラッグの開発と臨床への還元のあり方とは 付録.岡本先生を語る 佐々木正五 池田康夫 青木延雄 美原恒 大津國幹 略歴、業績一覧 あとがきにかえて 神原秋男 | |
| 【まえがき】 | |
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はじめに 岡本彰祐が他界してはや三年がたとうとしております。改めて月日の流れの速さにおどろかされました。今までは触れるのも辛くて、ついそのままにしておいた彼の遺作を、この際整理しようとして、机や本棚の引き出しを開けました。その時私は、かすかに、しかしはっきりした彼の声を聞きました。その声は、「人間の幸福の科学」といっていました。科学者の貞操を守ってりん然と八十八年の生涯を生きぬいた人の声でした。 研究室や書斎から集められた古雑誌や古新聞は、風ですぐ飛んでしまいそうでした。 大切に、大切にコピーを作り、研究員全員で廻し読みしました。一致した意見は、「何時でも誰でも読める形でまとめて印刷しておきたい」でした。 それから和中敬子さんを中心とした血栓止血研の人たちの大変な努力がはじまりました。この御好意と努力なしにはこの本は出発することもできなかったでしょう。 この本の作品は一九四〇年から彼の死の前年二〇〇三年までに書かれたものです。日本及び日本人が経済的にも思想的にも、激動の嵐の中で揉まれていた時代でした。各章の終りには、その文が書かれた年の年号が入れてあります。その年代の、彼のいた環境と思想とを、また同時に「時代を超えた」科学の成果とその方法論をも読みとってください。 岡本彰祐は、仕事の上でも、日常生活でもまことにユニークな人でした。彼の研究や教育、また生活そのものから、影響を受けられた方は少なくないと思います。 「人類の幸福と繁栄のための科学」を信じ、愛し、其の実現と実践のために生きぬきました。 彼は人間を限りなく愛した「人間大好き人間」でした。人間から幸せをうばう病気や戦争を心の底から憎み嫌いました。それが時に彼を平和運動に駆り出し、原爆反対運動にも走らせたのです。(。章) 彼は愛する人間の心と、体を、大脳生理学、条件反射学、血液学から研究し、病気をなおす薬を研究しました。その結果、イプシロン、トランサミン、アルガトロバンという全く新しい分野のくすりを登場させました。彼のたぐい稀な創造性と行動力が実現させた産学協同研究組織の収穫でした。(、章) この本はどこからお読みになっても御自由です。生真面目な整理好きな方ははじめから読んで科学の方法論をおたしかめください。 まず最初に岡本彰祐という人間の研究の成果を知りたい、という気の短い勉強家は「若い研究者へのメッセージ(、章)」から読みはじめてみてください。疲れたら「アリと人間(「章 )」や「眠れぬ夜のために(」章)」へ帰るのも好いでしょう。どこからでも岡本の声をきき、話し合ってください。岡本もお待ちしていることでしょう。私も皆様の御感想をお待ちしています。 二〇〇七年一二月 岡本歌子 | |