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環境税
税財政改革と持続可能な福祉社会

足立治郎(「環境・持続社会」研究センター)[著]

2400円+税 四六判 264頁 2004年7月発行 ISBN4-8067-1291-4


・利権のかたまりである税制にメスを入れる。
・税金の集め方と使い方のしくみを、NGO(市民)がトータルに提案し、実施を監視する。
本書は、そのための第1歩!

まったなしの税財政改革のなかで注目される
環境税・炭素税・温暖化対策税。
その公正で効果的な制度のあり方を検討し、
実現のための道筋を示す。

【主要目次】


はじめに

目次

T章 環境税の現在
 1,環境税・環境関連税とは
 2,日本の環境税・環境関連税
  (1)環境関連税の概要
  (2)環境税とはいえない、日本の現在のエネルギー税
  (3)不十分な自動車関連税のグリーン化
  (4)租税特別措置頼みからの脱却が必要
  (5)環境税の時代
   国による炭素税(温暖化対策税)の検討加速化/自治体の様々な検討・導入の進展
 3,世界の環境税
 (1)持続可能な社会構築に向けたデンマークの事例
 (2)地球温暖化防止のための導入状況
《コラム1:フロン税》

U章 環境税と環境保全
 1,地球温暖化の進展
  (1)国際条約(京都議定書)と環境税
  (2)甚大な被害を防ぐ長期的観点と環境税
   増大し続けるCO2排出/地球の気温上昇/地球温暖化による被害/日本・先進国の責任と環境税
 2,環境税が地球温暖化防止政策の中でも急務である理由
  (1)あらゆる人・企業のCO2排出削減を促進できる
  (2)継続的に環境保全の効果を発揮する
  (3)環境税の導入は、他の環境政策を促進する
   環境税の税収を、さらに環境保全活用可能/環境税論議が、温暖化防止のための包括的な税財政改革を促進/環境税が協定・排出量取引の議論を活性化
 3,環境税のCO2排出削減効果
 4,環境税とその他の環境政策のポリシーミックス
  (1)協定と環境税
  (2)排出量取引と環境税
《コラム2:米国と環境税》

V章 環境税と経済・雇用
 1,環境税と、公正で活性化した経済
  (1)環境コストを経済システムに組み込み、公正なマーケットを確立
  (2)欧州での環境税論議における経済・雇用の重視
 2,経済・雇用を考慮した環境税の制度設計
  (1)環境税課税による税負担の増加
  (2)欧州では「税収中立」が基本
  (3)国際競争力問題への対応
   環境税の国際競争力問題とは何か/国際競争力問題の対応措置の検討
  (4)環境税の負担割合の大きい起業の扱い
  (5)温暖化対策を進める企業に対する環境税の税収の活用
 3,環境税の経済・雇用への影響に関する議論・分析
  (1)二重の配当論
  (2)モデル試算
 4,環境と両立する経済・産業・雇用構造
《コラム3-1:環境派VS経済派から、環境派と経済派の融合へ》 《コラム3-2:企業と環境税》

W章 環境税と暮らし・福祉
 1,環境税によるライフスタイルの変化
  (1)ライフスタイルを変革するための環境税の必要性
  (2)環境税による移動スタイルの変化
  (3)環境税による居住スタイルの改善
 2,ライフスタイルによる環境税課税の負担の相違
  (1)環境税課税の規模
  (2)環境税課税の負担の帰着
 3,環境税の税収使途を含め、個人の収支を考える
  (1)「減税」に環境税の税収を活用する場合
  (2)「温暖化対策」に環境税の税収を活用する場合
 4,環境税と福祉
  (1)環境税と所得再分配・低所得者対策
  (2)環境・経済・福祉がともに成り立つ持続可能な社会
《コラム4:NGO/NPO?》

X章 環境税と税制・財政
 1,炭素税エネルギー税
  (1)炭素税検討進展とエネルギー税改革論議
  (2)エネルギー対策特別会計(石特会計・電特会計)を改革する
   二〇〇二年に決まった「部分的」改革/積み残された課題
  (3)道路特定財源を改革する
   「道路特定財源となるエネルギー税」の概略/積み残された課題
  (4)環境税導入と既存エネルギー税改革の調整・組み合わせ
   化石燃料に対する課税の早期強化/二重課税?/化石燃料課税強化とともに、電力課税を強化・改革する
 2,「環境税の使途」を税制・財政の中でどう位置付けるか
  (1)他の税の減税
   社会保険料の軽減/法人税・所得税の減税/消費税の減税
  (2)環境対策に充てる
  (3)財政赤字の補填
 3,環境税と包括的な税制・財政改革
  (1)増税か、税収中立か、減税か
  (2)環境税を課すのは、国か自治体か
  (3)環境税を特別会計に入れるか一般会計に入れるか
  (4)環境税は、持続可能な社会を構築する税財政改革の第一歩
《コラム5:NGOの自律》

Y章 地球温暖化防止のための環境税のデザイン
 1,制度設計の重要性
 2,制度設計のキーポイント
  (1)導入是非・導入時期
  (2)課税対象
  (3)課税主体
  (4)課税段階
  (5)税率
  (6)軽減措置
  (7)税収の使途
  (8)現行エネルギー税改革と環境税
  (9)地球温暖化防止のためのポリシーミックス
 3,環境省案の評価と政府政策担当者への提案
   導入時期/課税対象/課税主体/課税段階/税率/軽減措置/使途/エネルギー税と環境税/ポリシーミックス
 4,炭素税研究会の制度設計案の紹介とご意見の募集
《コラム6:民間からの政策提言》

Z章 環境税と市民
 1,政策プロセスを知り、私たちにできることを探る
 2,政策プロセスの状況
 3,効果的・公正な環境税構築のための政策プロセス
  (1)透明性・説明責任の徹底
  (2)特定利益を排除する政策プロセスの構築
  (3)定期的なレビューの実施
 4,「個」の力
  (1)税は国民のお金。主権者は国民
  (2)市民が環境税制度をチェック・立案・実現する
  (3)世界に誇れる環境税実現のための各セクターの協力
《コラム7:誇りと敬意》

注釈

図表出典一覧

あとがき

索引